<スライド1> JDF能登半島地震報告会 能登半島地震を育成会の視点から考える 令和7年1月16日 公益社団法人 石川県手をつなぐ育成会 会長 藤井 優 <スライド2> はじめに 〇JDFを中心とする各団体が現地にマンパワーの拠点を設置して、直接支援に取り組んで来られたことに感謝。 〇全国手をつなぐ連合会からも、全国会員に義援金募集の呼びかけで多くの支援をいただきました。 <スライド3> 石川県手をつなぐ育成会について 〇公益社団法人 石川県手をつなぐ育成会  県内市町に18の地区育成会組織  (会員約1200名) ○能登半島地震の被災地  珠洲 能登 輪島 穴水 七尾 志賀の6地区育成会 (会員約200名) 〇賛助会員の障害福祉サービス事業所 <スライド4> 発災から避難生活まで育成会会員の状況 〇元旦の家族と一緒の時の発災が幸いしたか  会員と障害のある人に命に係わる被害はなかった。 〇地域の公民館や学校での長期間にわたる集団避難、  家族が分散しての避難生活 〇帰省していた障害のある弟を11時間かけて  130km離れたグループホームまで送り届けた高齢の兄 〇津波に向かって歩いている障害のある子を間一髪で引き止め保護した母 <スライド5> 障害のある人の避難所生活は ○住民同士の関りの深い地域性だから、障害者は疎外されなかったか ○いわゆる「福祉避難所」は機能したか <スライド6> 日中支援サービス事業所は 何とか事業再開にこぎつけたものの 〇営業時間を短縮、利用者が定員の半数にも満たない 〇職員も家族とともに避難して退職希望者続出 〇利用定員を割り込み運営は成り立たない現実 ★日中支援事業所とは 地域に住む障害のある人達の、仕事をする場所であると同時に、仲間と毎日集う場所でもある。 作業だけではなく、楽しい行事や運動など、生活に潤いをもたらし、地域で生活するうえでなくてはならない重要な「拠り所」でもある。 <スライド7> グループホームの状況は 〇能登北部でも多くのグループホーム利用者がいたが、人命にかかる被害はなかった。 ○建物の損壊は少なかったが電気水道など生活インフラに被害、避難した支援員が戻るまで再開までに時間を要した ○建物被害の少なかったグループホームが近隣の避難場所となったり、空き部屋に入居希望が集中したところも <スライド8> 能登半島地震で強く感じたこと その1 育成会として今後の防災対策で取り組むべきこと ○育成会として先ず取り組むべきことは 「障害者(会員)の安否確認」 ○スマホなど移動通信手段は不可欠、家が崩壊し、電力が遮断する中持ち出せないパソコンや固定電話は無力 〇地域の会員がLINEグループでつながっていることは重要 <スライド9> 能登半島地震で強く感じたこと その2 グループホームの有用性 ○グループホームは消防法上の基準をクリアー、能登地域の一般住宅と比較して耐震、防火設備など備わっていた ○「二拠点居住」の考え方では、グループホームも災害時に避難場所として活用可能、 〇しかし、グループホームを中心とする居住支援サービスは全国的に低調 <スライド10> 復旧の現状と新たな豪雨被害 ○発災から9か月を経ても幹線道路が通行可能となった段階 ○家屋の公費解体の進捗は1割程度で復旧の初期段階というのが現実 〇地震被害に追い打ちをかけるような豪雨災害で震災を耐えた家屋や復旧した道路が再び濁流に流された。 <スライド11> おわりに 日本全国、どこで・いつ大規模災害に見舞われても不思議ではない環境に暮らしている現実からは誰も逃れられません。 防災の最後の砦は、 「隣人との関係づくり」だというのが「共通認識」、 存在を知ってもらうことが私達が取り組む 「誰もが助け合える共生社会」の目標にもつながると考えます。 ご清聴、有難うございました。