JDFの活動から
■最終更新 2013年1月1日
JDF国際委員会ニュースレター 第1号
新十年にむけたアジア・太平洋NGOネットワーク会議に参加して
JDF国際委員会
2011/10/15 第1号
新十年にむけたアジア・太平洋NGOネットワーク会議に参加して
JDF 国際委員長 寺島彰
2011年9月1日から9月2日まで、ソウル(韓国)のハイソウルユースホステルで開催されました。会議の目的は、「アジア太平洋障害者の十年」の新十年にむけて、障害者権利条約の批准と実施のためには、アジア太平洋地域におけるNGOの連携が重要であることから、NGOの連携に関する好事例についての情報交換をするということでした。そのために、日本、中国、パキスタン、フィージーから障害NGOの代表が招待されました。
日本からは、JDFの小川代表が招待されましたが、森政策委員長と寺島が代理で参加しました。また、アジア太平洋地域の8か国から若い障害者リーダーたち10人も招待されており、議論に参加していました。
プログラムは、下表の通りでした。その中でCRPD委員会委員長のロン・マッカラム氏(オーストラリア)による講演がありました。同氏は、自身全盲の視覚障害者で、委員長をされています。CRPD委員会は、国連にできた障害者権利条約(CRPD)の実施状況をモニタリングする組織で、加盟国が権利条約批准後2年以内(それ以降は4年毎)に実施状況に関するレポートを提出してきますので、それを参考に各国の権利条約の実施状況をモニタリングする役割を担っています。また、カルチャープログラムあり、ソウル宣言の採択もあり、国会議員による昼食会も開催されるなど、華やかな会議でした。
プログラム:
[9月1日]14:00-21:00
開会式 歓迎挨拶 リー・ナキョン(韓国女性視覚障害者協会会長)
開会挨拶 キム・ヒョンシク(APDF副会長・CRPD委員会委員)
講演「第2次10年で国内および地域のNGOが成し遂げたことと新10年におけるNGOの役割」
キム・ヒョンシク(APDF副会長・CRPD委員会委員)
パネルディスカッション1
パネリスト
ビマル・ナラヤン(PDF会長、フィージー)
アビア・アクラム(HIコーディネータ、パキスタン)
韓国からの3名のパネリスト
講演「第2次10年で国内および地域のNGOが成し遂げたことと新10年におけるNGOの役割」
キム・ミジュー(APDF会議組織委員会会長)
パネルディスカッション2
パネリスト
森祐司(JDF政策委員会委員長、日本)
コン・レイ(中国障害者協会国際部、中国)
リー・ウォンキョウ(KCCIL会長)
韓国からの3人のパネリスト
夕食
カルチャープログラム
[9月2日] 10:00-13:00
歓迎挨拶 パク・キョンソク(APDF会議組織委員会)
講演 ロン・マッカラム(CRPD委員会委員長、オーストラリア)
「障害者権利条約の批准を推進するためのNGOの役割」
全体討論
司会 キム・ヒヨンシク(APDF副会長・CRPD委員会委員)
パネリスト
アビア・アクラム(HIコーディネータ、パキスタン)
ビマル・ナラヤン(PDF会長、フィージー)
コン・レイ(中国障害者協会国際部、中国)
寺島彰(JDF国際委員会委員長、日本)
韓国から3人のパネリスト
ソウル宣言採択
パク・エンス国会議員招待による昼食会
14:00-15:00
参加者:4人の外国からの招待者、および、APDF会議組織委員会委員、国会議員、厚生省職員
第2次アジア太平洋障害者の十年(2003-2012)に関するNGOの視点からのアンケート実施
第2次アジア太平洋地域障害者の十年の実施に関する最終評価をおこなうハイレベル政府間会合が、韓国政府がホストとなり2012年10月に韓国・インチョンで開催される予定となっています。同会合では、アジア・太平洋地域の各国の社会的、経済的変化に影響を与える障害関連の取り組みの新たな局面に向けた戦略的なアジェンダが示されます。2011年5月19日、20日に行われた総会決議66/11によって、同会合に先駆けた準備作業において、アジア・太平洋地域の障害者支援団体を含めた全ての主要担当者の参加が求められました。この草案の準備の参考とするために、ESCAPからのアンケートがアジア太平洋地域のNGO宛に届きました。
JDFからは、次の団体から回答をいたしました。なお、英語への翻訳について、JDF事務局でお手伝いをさせていただきました。
日本障害フォーラム
日本盲人会連合
全日本ろうあ連盟
日本障害者協議会
DPI日本会議
全日本手をつなぐ育成会
全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
ESCAPとJDFとの「障害、生計と貧困」調査に関する同意書締結
2011年8月29日付けで、ESCAPから、「障害、生計と貧困」調査に関する調査に関してESCAPとJDFの同意書を交わしたいという連絡がありました。
同調査は、アジア太平洋地域の10か国を選び、障害者の生計に関するニーズを分析するための準備を行い、証拠に基づく調査の促進と政策策定へのプロセスに反映させることを目的としています。
調査結果は、2012年10月に開催が予定されているハイレベル政府間会合に反映されるように、次のような日程で実施されます。
(1)調査地の選択 2011年11月にワークショップへ参加し、その後、調査地を選択する
(2)アクション調査の実施 参加型調査に参加するコミュニティメンバーのための研修の実施。
2012年1-2月 参加型調査の実施
2011年11月-2012年2月 データ収集
(3)要約提出
2012年2-3月 データ提出 ESCAPによるデータに関するコンサルテーション
2012年3月 調査結果報告のための会合の開催
調査は、参加型調査とのことで、各国の障害者が参加して実施され、ESCAPが、①参加型調査方法の開発、②データ収集を含む調査方法の国内団体のトレーニング、③データ分析、④各国レポートに関する各国団体の支援、⑤調査結果をまとめ、アジア太平洋地域での配布を支援するとのことです。調査に際して1万5000ドルが支払われることになっています。 今後、皆さまのご協力をお願いすることになると思われます。どうぞよろしくお願いいたします。
今後の予定
2011年12月13日バンコク
APDF年次総会
2011年12月14日~16日バンコク
ESCAP Stakeholderコンサルテーション会議
主な議題:インチョンストラテジーへのインプット
2012年3月14日~16日、バンコク
ESCAPインチョンストラテジーに関する政府間会議
2012年10月29日~11月2日、インチョン
第二次十年最終年ESCAPハイレベル政府間会議
編集後記
ニュースレターがやっとできました。2ページしかありませんが、実際作ってみるとなかなか大変です。最近は、国際委員会活動も活発になり、いろいろなことがらをお伝えしたいのですが、なにぶん時間も労力も不足している状態です。それでも、少しずつ皆様にお伝えできればと考えています。皆さまのご協力をお願いいたします。(K)