JDF-日本障害フォーラム-Japan Disability Forum

JDF は、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者団体を中心として2004年に設立された団体です。

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■最終更新 2013年4月30日

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JDF国際委員会ニュースレター 第2号 ESCAPハイレベル政府間会議特集号

JDF国際委員会
2012/11/05号

藤井さんチャンピオン賞受賞

JDF 国際委員長 寺島彰

2012年10月29日から11月2日まで、インチョン(韓国)のゾンド・コンベンション・センターで開催された国連経済社会委員会(ESCAP)ハイレベル政府間会議で、藤井幹事会議長が国連ESCAPアジア太平洋障害チャンピオン賞を受賞されました。この賞は、アジア太平洋地域において活動している障害者個人に対し授与されるもので、次のような条件に合致している必要があります。

  • インクルーシブな社会の構築のために貢献した人
  • 障害者の権利の促進と保護に関するネットワークとつながりを発展させてきた人
  • 障害者権利条約の批准・実施を支援してきた人
  • ESCAP域内の国に居住し、それぞれの国において尊敬を集めている人
  • 2012年以降、障害者の権利のために能力を発揮できる人

藤井幹事会議長の写真

11月1日午前に行われた授賞式では、ESCAP域内の大臣レベルの人々が出席のもと、キム・ファンシク大韓民国首相と村田ESCAP事務局次長から域内の10人の受賞者ひとりひとりにトロフィーと記念品が授与されました。受賞後、各受賞者にコメントを求められ、藤井議長は、次のような発言をされています。

「ぶれない、こびない、あきらめない、これが私の信条です。これからも、変わることはないと思います。新十年にあたり二つのことを強調しておきたいと思います。一つは自らの意思を表明できない人の言葉に耳を傾けていきたいと思います。なぜなら、そこには、ことの本質があるからです。もう一つは、この地域のCSOの存在感と一体感を最大限に高めるということです。10年後の今日、なるほどあの顔ぶれにチャンピオン賞を与えてよかったと、わたくし自身もそう言ってもらえるよう頑張っていきます。おめでとうの言葉は、後何年後かで結構でございます。」

なお、藤井幹事会議長以外の受賞者は、モンティアン・ブンタン氏(タイ上院議員、タイ盲人協会会長)、アブダス・サター・ドゥラール氏(バングラディシュ・プロティバンディ・カルヤン・ソミィティ所長)、フランク・アレン・ホール・ベントリック氏(オーストラリア障害団体連合国際ポートフォリオコーディネーター)、リャザート・カルタヴァヤさん(中央アジア障害フォーラム会長)、セタラキ・セル・マカナワイ氏(太平洋障害フォーラム最高責任者)、ポーンナム・ナタラジャン氏(インド・ニューデリー州・社会正義エンパワメント省自閉症・脳性まひ・知的障害・重複障害者の福祉のためのナショナルトラスト議長)、マウラニ・マグスティア・ロティンスルさん(インドネシア女性障害者協会会長)、ソン・ヨン・ウー氏(韓国障害者財団取締役会長)、チャン・ハイディさん(中国障害連合会会長)の9人です。

JDF主催スペシャルイベント「障害者を含む災害時のリスク削減」開催

ESCAPハイレベル政府間会議3日目午前中、JDF主催のサイドイベントが開催されました。開催の趣旨は、昨年の東日本大震災に際して多くの国々から精神的および物的支援をいただいたことに感謝するとともに、自然災害において、常に非常に弱い立場に置かれている障害者を守るために、どのように支援すればよいのか、アジア太平洋の障害者の災害時の経験を共有し知見を深めることです。(プログラム下表)

スペシャルイベントは、ESCAPハイレベル政府間会議が開催されていたゾンド・コンベンシア2FのボールルームCで開催されました。主催は日本障害フォーラムと日本財団、後援は在大韓民国日本大使館でした。

会場には、約120名の参加者に集まっていただきました。持ち時間が非常に短く、発表者には苦労をおかけしましたが、ビデオを流したり、スライドを多く使うなどの工夫をしていただき、発表は時間通りでした。しかし、質疑応答の時間になると、会場からたくさんの手が上がり、多くの質問が出されました。特に、障害者を含む災害時のリスク削減の具体的な内容、支援プロジェクトなどについての質問やコメントが目立ちました。すべての質問に答えることはできずに、また、時間を15分程度超過してイベントを終了しました。かなりの盛り上がりをみせたという点では成功であったと思います。

本イベントは、ESCAPハイレベル政府間会議の正式のサイドイベントの位置づけで、実施に際しては、ESCAP事務局から場所の提供や通訳ブースの設置などの支援を受けました。また、(公財)日本障害者リハビリテーション協会の職員の皆さんの周到な準備により実施することができました。感謝申し上げます。


JDFスペシャルイベント「障害者を含む災害時のリスク削減」プログラム

総合司会・コーディネータ 寺島彰(JDF国際委員長)

開会挨拶(11:00-11:10)
森祐司(JDF政策委員長)
石井靖乃(日本財団)
池田洋一(在韓国大使館参事官)
基調報告(ビデオ上映含む)「東日本大震災の経験から一インクルーシブ社会への提言」(11:10-11:25)
藤井克徳(JDF幹事会議長)
各国からの報告(11:25-11:55)
タイ-スメット・フォンカチャ(レデンプトリスト障害者福祉財団レデンプトリスト障害児センター代表)
スリランカ-プレマダサ・ディサヤナケ(スリランカ障害者リハビリテーション財団名誉会長)
フィリピン-ジョセリーン・セバロス・ガルシア(タハナン・ワラン・バグダナン事務局長)
「東日本大震災被災地における経験と取り組み」(11:55-12:15)
白石清春(JDF被災地障がい者支援センターふくしま代表)
阿部一彦(JDFみやぎ支援センター代表)
質疑応答(12:15-12:25)
閉会挨拶(12:25-12:30)
松井亮輔(APDF前事務局長/JDF代表者会議構成員)

編集後記

ESCAPハイレベル政府間会議が終わりました。この会議に向けて、さまざまな取り組みをしてきました。最近は、国際委員会活動も活発になり、いろいろなことがらをお伝えしたいのですが、なにぶん時間も労力も不足している状態です。もし、協力をしていただける方がおられましたら事務局までお願いいたします。(T)

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