要望書・意見書
■最終更新 2015年5月20日
障害者に係る郵便制度に関する要望
2015年5月15日
総務大臣 高市 早苗 様
厚生労働大臣 塩崎 恭久 様
日本郵便株式会社代表取締役社長 髙橋 亨 様
全国障害者団体定期刊行物協会連合会
共同代表 春田 文夫・西尾 元秀
日本障害フォーラム (JDF)
代表 嵐谷 安雄
障害者に係る郵便制度に関する要望
日ごろより障害者施策の推進にご尽力いたただいていることに心より敬意を表します。
障害者団体では、かねてより第三種・第四種郵便物を利用し、団体会員や社会全般への情報発信に役立ててきました。
郵政民営化に際して、第三種・第四種郵便物の減免制度が廃止される方向での検討がなされた際には、障害者団体はその継続について強く要請し、現在に至っています。
移動やコミュニケーション等に困難をもつ障害者とその団体にとって、情報の伝達はまさしく活動の命綱です。私たちはこれらの郵便制度の在り方に深い関心をもち、とりわけ2008年に心身障害者用第三種郵便物の不適正利用が発覚して以来、総務省、厚生労働省、日本郵便との「四者協議」を重ねてきたところです。
2013年には、新たな制度として、新第四種郵便物(障害者向け郵便(仮称))が提案されました。残念ながらその原案については、少なくない障害者団体の賛意が得られず、この案を検討する「小委員会」の議論は合意に至りませんでした。しかしながら、私たちはこうした提案がなされたことを評価するとともに、一日も早く制度が整備され、安心して定期刊行物を発行できることを心より望んでおります。
2014年に障害者権利条約が日本で批准され、国内の各種法制度の整備が続けられているところですが、郵便制度についても、この条約に基づいて、「他の者との平等を基礎とした」情報保障の観点から整備していくことが求められます。
このことを踏まえ、今後の障害者に係る郵便制度について、次のことを要望いたします。
記
1 心身障害者用低料第三種郵便物の存続と、新第四種郵便物の実現
心身障害者用低料第三種郵便物(以下、「第三種」)を今後も存続するとともに、2013年に提案された新第四種郵便物(障害者向け郵便(仮称))(以下、「新四種」)については改めて実現の方策を探り、双方の制度の利用を選択できる形とすることを求めます。
2 制度の利用要件についての協議
現行の第三種郵便物は多くの団体の利用が困難となっているとともに、新四種郵便物については広告掲載が原則不可とされていることから同じく利用困難な団体があり、結果として、どちらの制度も利用できなくなる団体が生じることが懸念されます。とりわけ、広告と見なされるものの中にも、障害者にとって重要な情報があることも踏まえ、小規模な団体であっても制度を利用できるよう、利用要件についてのより踏み込んだ議論を、四者協議の場で行いたいと考えます。
3 新制度実現までの間の、現行制度の弾力的運用
新たな制度が実現されるまでの間、現行の制度を弾力的に運用し、障害者団体の命綱といえる啓発活動に不利益を生じないよう各地の郵便事業会社に指導を徹底してください。
4 障害者団体を認証する証明書の発行方法の確認
第三種郵便物ならびに新第四種郵便物の利用に必要とされる、障害者団体を認証する証明書の発行を、団体を所管する行政機関が継続して行ってください。もしそれがどうしても不可能ならば、それに代わる新たな証明方法をお示しください。
以上