JDF-日本障害フォーラム-Japan Disability Forum

JDF は、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者団体を中心として2004年に設立された団体です。

JDF

要望書・意見書

■最終更新 2020年7月16日

HOME>要望書・意見書>障害者政策委員会における「障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見」の採択を受けての見解

障害者政策委員会における「障害者差別解消法の施行3年後見直しに関する意見」の採択を受けての見解

<PDF版>

今般、6月22日に開かれた障害者政策委員会は、「障害者差別解消法」の見直しについて最終意見をまとめました。石川委員長は精力的にこの課題に対して取り組み、政策委員の総意を得て、たどり着けたことにまずは敬意を表したいと思います。

障害者権利条約の第5条の2には「締約国は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとし、いかなる理由による差別に対しても平等かつ効果的な法的保護を障害者に保障する。」と書かれています。石川委員長は「障害者権利条約に基づいた差別解消法の見直しである。」と述べております。

今回の見直しは、最終目的の途上にあるものと私たちは認識しています。障害者権利条約は“効果的な法的保護”の保障を求めています。

紛争解決の仕組みについては、意見書では「国・地方の役割分担の明確化」としておりますが、具体策は示しておりません。これについて私たちは早急に具体化させ、“訴え出る場”を保障すべきではないかと思います。一方、相談体制にワンストップ窓口を置くことについては、多くの委員の粘りもあって積極的な議論の末に取り込まれることになりました。相談のたらい回しが多く見られる現状を打破する期待が持たれ、小さいながらも一歩前進ということができるのではないかと思います。

さらに、合理的配慮の法的義務を民間事業者にも適用していくことの方向性が確認されたことも大きな前進であります。今後、早急な広報活動や理解促進の取り組みが求められています。

これから具体的な改正法案が出され、国会でしっかりと議論されて、やがて法律となっていくことになりますが、私たちは今後とも注視を続け、取り組んでいかなければなりません。

最近、東京新聞6月21日朝刊に「『欠格条項』661法令に増加」という記事が載りました。障害のために様々な法的制限が増えている現状にあります。この1例でも見て取れるように障害を理由にする差別の実態は、複雑かつ見えづらくなってきています。障害者差別解消法が形骸化されないようにしていく必要があります。

私たち日本障害フォーラム(JDF)の運動の出発点は、差別に泣き寝入りすることのない社会をめざすことにあります。私たちはその実現まで決して手を緩めるつもりはなく、しっかりと対応していく所存です。

2020年7月15日
日本障害フォーラム(JDF)

ページの先頭へ