JDF-日本障害フォーラム-Japan Disability Forum

JDF は、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者団体を中心として2004年に設立された団体です。

JDF

要望書・意見書

■最終更新 2021年4月27日

HOME>要望書・意見書>鉄道のさらなるバリアフリー化に関する要望

鉄道のさらなるバリアフリー化に関する要望

■2021年4月15日、下記要望書を赤羽国土交通大臣に提出。

要求書提出

懇談の様子


<PDF版>

2021年4月15日

国土交通大臣 赤羽 一嘉 様

日本障害フォーラム(JDF)
代表 阿部 一彦

鉄道のさらなるバリアフリー化に関する要望

 平素より国土交通施策の向上にご尽力いただいていることに心より敬意を表します。
 日本障害フォーラムは、全国13の障害者団体・関係団体が構成する民間団体です。
 さてわが国は長きにわたって鉄道のバリアフリー化を進めてきました。近年では、わが国は2014年に「障害者の権利に関する条約」の締約国となるとともに、「ユニバーサルデザイン2020行動計画(平成29/2017年)」の策定や、「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律(平成30/2018年)」の成立等を経て、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」の改正も繰り返されてきたところです。いよいよ間近となっている東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、私たちの生活に欠かせない移動手段である鉄道について、ハード、ソフト両面における一層のバリアフリー化が望まれます。
 つきましては、特に次のことを要望いたします。

1.精神障害者に対する交通運賃を身体障害者、知的障害者と同様に割引制度の適用対象にして下さい。また、より使いやすい割引制度とし、障害者の外出を支援してください。
 精神障害者がこの制度から除外されていることは、障害者基本法や障害者差別解消法の理念と相容れません。精神障害者の生活圏を拡大し、社会参加を促進するためには、交通に係る経費負担の軽減を図ることは不可欠と考えます。鉄道運賃割引制度を精神障害者とその介助者に適用されるよう要望いたします。
 また割引制度については、すべての障害について、関西圏で既に実績のある障害者手帳の都度提示の不要な専用ICカードの使用を含め、より使いやすい方法の導入と普及を検討してください。

2.鉄道駅におけるホームドアの設置を速やかに進めてください。
 近年多くの駅でホームドアの設置が行われていますが、残念ながら未設置の駅における視覚障害者等の転落事故が繰り返し報じられています。速やかな設置を切に望みます。

3.駅舎のバリアフリー化と併せて、プラットフォームと車両入口の隙間・段差を解消してください。
 エレベータの設置を含む駅舎のバリアフリー化が進むことにより、利用者の利便性が上がっているところです。
 これに加えて、プラットフォームと車両入口の隙間や段差を解消することにより、車いす利用者やベビーカー利用者を含む多くの人の乗り降りが安全かつ容易にできるようになるとともに、路線の円滑な運行にも役立ちます。一部路線では先駆的な取り組みが行われているところですが、これを全国的に普及させていくことを希望します。

4.駅の無人化への対応を行ってください。
 駅の無人化が進むことにより、障害者が駅・鉄道を利用できない事態が増えています。障害者基本法やバリアフリー法に定められた理念に基づき、また安全面からも、障害の有無に関わらず分け隔てなく駅・鉄道が利用できるよう、適切な人員の確保を含め、ハード面ソフト面での環境整備と配慮を行ってください。

以上

ページの先頭へ