JDF-日本障害フォーラム-Japan Disability Forum

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■最終更新 2022年5月10日

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旧優生保護法による問題の解決を求める要望書

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2022年5月10日

旧優生保護法による問題の解決を求める要望書

日本障害フォーラム(JDF)
代表 阿部 一彦

 去る3月11日、東京高等裁判所は、改正前の優生保護法(以下「優生保護法」)にかかる国家賠償請求控訴審において、同法を違憲としたうえで、国に賠償を命じる判決を下しました。
 この判決は、去る2月22日に大阪高等裁判所が国に賠償を命じた判決に続くものであり、20年の除斥期間の適用は「著しく正義・公正の理念に反する」としたことなど高く評価できます。
 私たちは、国が両高裁の判決を真摯に受け止め、被害者が高齢であることからも、一日も早く司法上の解決を図ることを求めます。
 また全国の被害者に国として謝罪するとともに、被害者がこれまで受けた被害について十分な賠償・補償を行い、同じ過ちを二度と繰り返さないための恒久的な対策を講じることを求めます。このために、国会において早急に検討を行い、決議の採択や立法の措置を行ってください。
 その際は、障害者権利条約の理念を踏まえつつ、次の事項を含めて検討してください。

1.優生保護法にかかわる被害について国の責任を明確にしたうえで謝罪し、かつ、このことを法や国会における決議の中に明記してください。

2.被害者が受けた深刻な被害を償うために十分な賠償・補償を行ってください。
(1)賠償・補償の額については大阪高裁、東京高裁の判決を下回らないものとし、申請の期限を設けないでください。
(2)被害者に対し確実に情報提供できるよう通知等を行うとともに、申請のための支援や配慮を行ってください。
(3)賠償・補償の対象となる被害の範囲や、その対象者の範囲についても再検討し、救済から漏れる人のないようにしてください。

3.二度と同じ過ちを繰り返さないため、次のことを行ってください
(1)優生保護法に基づく被害に関する第三者による検証体制を設け、実態の把握ならびに事実、経緯等の解明を行ってください。なお、現在進められている衆議院ならびに参議院調査室での調査については、検証に貢献できるものとしてください。
(2)被害者が名誉と尊厳を回復し、これ以上の差別や偏見を受けることがないよう、この問題に関する啓発、広報の実施、その他の必要な措置を行ってください。
(3)上記検証の結果も踏まえつつ、今後何人も障害や疾病等を理由に、優生手術や人工妊娠中絶手術を強いられるような人権侵害や、差別、偏見を被ることがないよう、教育、研修、啓発、および今後の法令の整備などを含む継続的な取り組みを行ってください。

4.今後の措置や対策の検討と実施にあたっては、原告および弁護団、ならびに全国の被害者を代表する者等と継続的に協議し、その声を真摯に聞き続けてください。

以上

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