要望書・意見書
■最終更新 2024年3月26日
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能登半島地震における障害者等の支援に関する要望(第二次)
2024年3月26日
内閣総理大臣 岸田 文雄 様
内閣府特命担当大臣 松村 祥史 様
内閣府特命担当大臣 加藤 鮎子 様
厚生労働大臣 武見 敬三 様
国土交通大臣 斉藤 鉄夫 様
石川県知事 馳 浩 様
日本障害フォーラム(JDF)
代表 阿部 一彦
能登半島地震における障害者等の支援に関する要望(第二次)
本年1月1日に発生した能登半島地震につきましては、被災者の支援に引き続き尽力されていることに心より敬意を表します。
震災発生から2か月が経過しましたが、被災地では障害者やその支援者等がなお困難な状況にあることから、改めて次のことを要望いたします。
記
1.障害者等のニーズ把握と支援
国の被災高齢者等把握事業により、障害者等の個別訪問による状況確認が進められていますが、被災者のニーズの把握と支援については、次のことを行ってください。
(1)視聴覚障害者、盲ろう者、知的・発達障害者、難病のある人を含む個々の特性を踏まえた聞き取りを行うとともに、必要な手話通訳、筆談、盲ろう通訳、わかりやすい説明などを行ってください。
(2)ニーズの把握にとどまらず、確認できたニーズが今後の支援や復興施策につながるよう調整してください。
(3)上記の点から、事業実施主体である自治体は、各障害者団体等との十分な連携を行うようにしてください。また障害者団体が個人情報の開示を自治体から直接受けて上記に対応する方法も検討してください。
2.障害者支援事業所の支援
被災地域の障害者支援事業所は、施設の損壊、地域企業の被災、利用者・職員が遠隔地に避難したことなどから、運営上の困難に直面しています。また施設の片付けや修繕といった直接報酬につながらない作業も多く発生しています。被災しつつも1日も早く事業を再開すべく取り組んでいることから、次のことを行ってください。
(1)利用者が減少しても報酬減とならないよう、月額払いの導入や、前年度実績に基づいた報酬支払などを行い、事業所が運営を継続できるように早急に取り組んでください。
(2)障害福祉職員等の派遣支援を当面は継続してください。
(3)地元企業が被災し、就労支援事業所の仕事がなくなっています。当面は、県内外の企業や官公庁からの受注を確保するなどの支援を行ってください。
(4)被災した事業所等の事業継続・再開のための財政的支援を要望します。
(5)損壊した建物・施設の修繕や再建については、事業所の書類手続きの軽減を図り、迅速に補助金を交付してください。
3.福祉避難所、仮設住宅
(1)避難生活がなお継続していることから、きこえない・きこえにくい人が集団で避難し手話で語り合える福祉避難所の設置を要望します。また仮設住宅についても同様に、きこえない人が孤立せず生活できるコミュニティを作れるようにしてください。
(2)福祉避難所については、指定された施設等が円滑かつ迅速に福祉避難所を開設し機能できるような設備の条件や、外部からの支援を含む人員体制などの方策について検討を行ってください。
(3)仮設住宅への入居にあたっては、さまざまな困難のある人たちに可能なかぎり多様な媒体と手段を用いてアクセシブルな情報を届けるとともに、締め切りの設定、申請方法の調整、人的支援を含む、手続き上の配慮と支援を行ってください。また入居後の福祉サービスの利用、仮設住宅の必要な改修が容易にできるよう対応してください。
4.生活再建への支援
遠隔地に避難した障害者等が被災地へ戻りたいというニーズに応えられるよう、特に住居面に関しては次のような支援を行ってください。
(1)住宅再建支援の新たな交付金の導入や、被災世帯の家財等・住宅再建に対する支援のための給付(地域福祉推進支援臨時特例交付金)等の対応をいただいておりますが、多くの障害者等は住宅の再建等に大きな不安を有していることから、引き続き実情に応じた支援をお願いいたします。
(2)災害公営住宅のバリアフリー化、ならびに、入居に際しては前項3(3)と同様の情報伝達ならびに手続き上の配慮等を行ってください。
以上