JDF-日本障害フォーラム-Japan Disability Forum

JDF は、障害のある人の権利を推進することを目的に、障害者団体を中心として2004年に設立された団体です。

JDF

セミナー・学習会

■最終更新 2016年3月17日

HOME>セミナー・学習会>JDF東日本大震災被災障害者総合支援本部 第五次報告会「震災5年目から未来への提言」|「障害者と防災」に関する当事者アンケート 記述回答<抜粋・速報版>

「障害者と防災」に関する当事者アンケート 記述回答<抜粋・速報版>

問2災害が起きた時、自分だけで避難するのが難しい理由

  • 聞こえないので、情報が入ってこない。近所に火事があって、消防車の音を気づかなかった。 外に出たら消防車がたくさん停まっていて初めて分かった。3回経験がある。避難中や避難所でもコミュニケーションが取れないとなすすべがない。
  • 大勢の人のいるところには、いられない。雑音、雑踏、混雑の中に入っていけない。
  • 透析中であれば、到底困難。透析施設が必要。病院からの指示に従う。
  • 停電になるとリフトを使用しているので避難が困難。ヘルパーがいないと車いすに移乗できない。エレベーターが止まった場合完全に取り残される。
  • たとえ訓練を経験したとしても、信頼関係が築けている人のサポートがないと、ルーチン化されていないとっさの行動は取れない。

問4「避難行動要支援者(災害時要援護者)名簿」に登録していない(または登録したかどうか分からない)理由

  • 名簿そのものの存在を知らなかった。寝耳に水。
  • 自分の障害のことを開示したくない。障害が知られることに不安がある。個人情報が身近な地域でどう扱われるのか不安がある。
  • 対象になっていないと言われた。(療育手帳Bだと対象にならない。家族と同居だと対象にならない。など)
  • 足手まといになりたくない。地域支援者を決めることは責任を負わせるようで心苦しい。
  • 登録したように思うが、登録完了の通知やその後の更新などの連絡がなく、定かではない。
  • 家族などで避難支援することにしているため。/自宅に避難するつもりでいるため。

問5個別(避難)計画を作成している場合、いつ、どのように作成したか

  • 町内会や民生委員と対面で話し合って決めた。地域防災支援事業や自主防災組織で支援者が決められている。消防署から声かけがあった。
  • 福祉課の聞き取りや、要支援者名簿登録時に作成した。
  • 利用している施設、事業所、グループホームで作成している。
  • 所属する障害者団体・支援者団体を通じて作成した。
  • 地域福祉課から視覚障害者団体のモデル事業として取り組んでくれ、避難所への避難訓練などを個別に行った。

問6災害が起きて避難指示が出ても、避難所に行かない(または行くかどうか分からない)理由

  • 目が見えず耳が聞こえないため、避難指示が出たかどうか分からない。
  • 避難所まで行きつける自信がない。停電してエレベーターが止まれば動きが取れない。
  • 避難所でプライバシーを保てるかどうか/迷惑をかけるのではないか/行ってもきちんと情報(保障)が得られるか /周囲とコミュニケーションが取れるか/トイレや居住性・バリアフリーで苦労するのではないか /障害への偏見があるのではないか/呼吸器などを持ち込めるのか・使えるのか、など懸念がある。自宅が倒壊しないかぎり自宅で過ごしたい。
  • 避難所の場所が分からない。福祉避難所が近くにない・または場所が公開されていない。

問8避難所や福祉避難所への希望

  • 情報コミュニケーションの支援:手話通訳者・要約筆記者の配置。聴覚障害者向けの掲示板・文字表示。 視覚障害者向けの音声案内。指点字での状況説明。目で聴くテレビの設置。
  • 車いすでも利用できるトイレ。ベッドや布団。着替えや清拭ができる間仕切り。必要に応じた誘導・手引きなど。
  • 女子トイレ・更衣室。男女別の対応
  • 医師、看護師、その他専門職がいてほしい。胃ろう・呼吸器・透析など医療ニーズへの対応。 電動車いすや呼吸器のための電源。薬の入手ができるようにしてほしい。
  • 避難所の場所、福祉避難所の場所や概要について周知してほしい。福祉避難所の場所は公表されていないことがある。
    ※本当に必要なときにすぐに利用できなければ意味がない。
    日常からその場所を知って避難訓練ができないと、いざというときに到底避難はできない。
    避難所でどういう対応ができるのか、日ごろから見学・勉強会などで情報が得られないと不安で行くことができない。
  • 直接福祉避難所に行けるようにしてほしい。(一時避難所での振り分けは負担が大きい)
  • 特別支援学校、支援事業所、視聴覚障害者情報提供施設など、なじみの場所で、支援者も含めて集まりやすい場所を避難所にしてほしい。
  • 全員が福祉避難所に行けるわけではないので、すべての避難所でハード面・ソフト面の配慮がなされるべき。

問9地域の防災訓練・避難訓練に参加したことがある場合、どのような形で参加したか。

  • 市の防災訓練に障害者団体として参加した。
  • 要約筆記者や手話通訳者とともに、聞こえないことを一般市民に学んでもらうテントを設置した。
  • 車いすの扱いかた講習を行った。
  • 障害の疑似体験を行った。
  • 障害者団体、手話・要約筆記サークル、自立支援協議会、事業所、施設、グループホーム、防災ボランティア協議会、職場、病院等の訓練に参加した。

問9(2)障害者が参加しやすいよう、どのような配慮が行われていたか(選択肢以外の「その他」の回答)

  • 誘導ボランティアの支援を受けた。
  • 区役所や社協職員による訓練会場への送迎。ノンステップバスや駐車場の準備。
  • 移動が困難な人、高齢者、子どもを車に乗せて避難する訓練。車いすの貸し出し。
  • 支援者がついて避難を練習。作業所職員の誘導。

問10 地域の防災計画・施策を考えるための委員会・会議・話し合いに参加したことがある場合、 どのような形で参加したか。(選択肢以外の「その他」の回答)

  • 行政・社協・町内会による「意見交換会」に参加
  • 地域の自治会等の役員として参加
  • 地域の障害者団体で行政への要望活動/交渉
  • 障害者団体の集まりに行政担当者が来て説明・懇談
  • 視覚障害者の意見をまとめる会合に盲ろう者として参加

問11 障害者が参加したことで訓練の内容や防災計画などがよくなった点

  • 障害者がどこに住みどのような生活を送っているのか、行政、社協、そこに集まった市民・委員に知ってもらうことができた。
  • 地域に障害者がいるという意識・認識を持ってもらえた。地域の人と知り合うことができ、偏見が少なくなった。子どもたちを含む市民の理解が深まり協力的になった。
  • 防災訓練に手話通訳や要約筆記者が公費で派遣されるようになった。住民や市職員も筆談やノートテークをするようになった。 防災用品倉庫にホワイトボードなどの筆記・掲示品が含まれるようになった。音声情報では避難できないという当たり前のことを理解してもらえた。
  • 訓練会場への送迎や、訓練会場のスロープ・車いす用トイレ設置
  • 要支援者・援護者名簿の作成が進んだ。
  • 福祉避難所設置が実現した。
  • 低たんぱく米の備蓄、透析患者への配慮についてマニュアルの項目に追加された

問12 訓練や計画づくりなどに参加したことがない理由

  • 通訳がいない。コミュニケーションの支援がない。
  • 難しい内容についていけない
  • 長時間の参加は難しい。人が大勢いるところは厳しい。1人では参加できない。
  • 訓練の場などで偏見や好奇の目で見られるのが困る。
  • 訓練や計画について知らない、情報がない。
  • 障害者が参加できるものなのか、分かりやすい案内がない。
  • あまり関心がない、仕事や家庭があり忙しい。
  • 施設やグループホームでの訓練に参加している。

問13 訓練や計画づくりに障害者が参加しやすくなるためには、何が必要か

  • 手話通訳、要約筆記、指点字通訳、点字資料などの情報保障と、内容や進行に関する分かりやすい資料・説明
  • 分かりやすく案内し呼びかけるとともに、参加するための通訳・介助・移動等のサポートが必要。 呼びかけには障害者の参加にどのような配慮があるのかも記載するとよい。
  • 障害者団体、専門職、医療関係者などが仲介役を務めること
  • 発達障害など障害の特性によっては、訓練や計画づくりへの参加で成功体験を積むことは非常に大切であり、 それが災害時の円滑な避難につながる。逆に日ごろの訓練等の参加に失敗すると避難行動自体が取れなくなってしまう。 このことから、訓練そのものにも十分な準備や打ち合せ、参加支援や分かりやすい資料と説明が必要。
  • 身体、知的、精神などの障害がどのようなものか、日ごろから住民との交流や学習を積み重ねて理解を深めておく必要があり、 そのうえではじめて障害者を含めた防災訓練ができる。
  • そもそも住民が防災訓練の企画に参加できる状況にはない。障害者を含む訓練を実現するには、 障害者団体等が主体になって要請するとともに、行政からも強く働きかけが必要である。
  • 人と会うことが苦手な人には、アンケートや書面などの媒体を活用するのも一案。

問14 地域の計画、訓練は、あなたの生命や安全を守るために役立つと思うか

  • 事前の備えが役立つことを信じて、参加している。障害のある自分がいることを地域にアピールするだけでも意義がある。 訓練で知り合った人がいざというときに一緒に行動してくれると思う。 (数値結果と同様、とにかく「役には立つ」という記述が多くを占める)
  • ただ参加しただけでは十分な効果は期待できない。それぞれの障害に対する理解が必要。 また参加のための配慮が必要。計画自体が健常者主体となっている。障害のある自分の存在や発言に対する十分な反応が得られない。
  • 行政と学識経験者のみで計画が作られており、市民の意見が取り入れられていない。 特に障害者や高齢者の意見を聞かずに作られている。 (原発事故の避難計画などは大ざっぱで現実性がなく、障害がなくてもどうしたらいいか分からない。)
  • 計画や訓練に具体性がない。平時の行事などでも配慮が得られないのに、 緊急災害時に計画や訓練がどれだけ機能し役立つのか不安がある。

問15 今後の大規模災害があったときの避難や防災について考えていること

  • 防災関係者やボランティア関係者は、障害者を理解することなく防災について話し合ったり、研修会を開いている。 このような状況では災害時の対応は難しい。今からお互いが理解できる環境を作らなければいけないと思う。
  • 避難所に行くことはできるだけ避けたい。そのため自宅の耐震、非常用品や食料の確保、災害ダイヤルなど情報手段を備えておきたい。
  • 週3回透析している。透析中の災害を想定しての機械からの離脱の手順を教わり、理解もしているが、パニックになればどうなるかわからない。
  • 正直どうすればいいのかイメージがわかない。備えは必要とは思うが、日常に追われて対応できずにいる。
  • 自分自身を知ってもらうために、日ごろから地域の人との交流や関係機関の会議、行事には積極的に出るようにしている。 防災訓練にも参加した。災害時に自分が何を支援してほしいか情報発信しておくことが必要だと考えている。 一人暮らしなので近隣との挨拶を心がけている。
  • 障害者、高齢者は地域の助けが必要である。名簿登録はもとより、隣近所のネットワークや見守りを強化すべき。 高校生等の若い力も役立つはずだ。

注:記述回答より一部抜粋。個人情報が分からないようにしたり、似た回答をまとめるなど、一部編集して記載。

ページの先頭へ