要望書・意見書
■最終更新 2013年4月4日
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国連ESCAP地域セミナー(2003年11月4日~7日 於北京)における、JDF準備会代表ステートメント
国連ESCAP地域セミナー(2003年11月4日~7日 於北京)における、
JDF準備会代表ステートメント
JDF準備会代表 兒玉 明
議長、そしてご出席の皆様
日本障害フォーラム準備会を代表して発言させていただき、光栄に思います。ESCAPと中国障害者連合会が障害者の権利及び尊厳の保護及び促進に関する総合的かつ包括的な条約についてのセミナーを成功裏に開催されたことをお喜び申し上げます。現在、日本においては、障害当事者・関係者によって運営される組織の新しい全国レベルでの連合体であるJDF、日本障害フォーラムの結成に向けて準備を進めております。これまでも日本のNGOは国際レベル、地域レベル、そして国内レベルにおいてこの条約の策定に向けて積極果敢に貢献を行ってまいりました。私はNGO、とりわけ障害当事者組織による熱意ある取り組みと貢献、そしてNGOと政府とのパートナーシップがこの条約を実現させるのに不可欠であると信じるところであります。
議長、
私は、障害者の人権を実現するこの条約の策定に向けて、この地域において多くの関係者が多大なる努力を払い、また、互いに協力しあっておられることに感謝の意を表したいと思います。そうした努力の成果の中でも、先月ESCAPが主催しました地域ワークショップで採択されたバンコク草案は、この地域においてもっとも重要な文書のひとつに違いありません。バンコク草案には、アクセスの権利や移動の権利、言語の定義、自立生活の原則など障害者に関する新しい特定の権利や原則が盛り込まれております。これらの新しい事項のすべては障害者運動の貢献から来たものです。日本のNGOはバンコク草案で示されたこれらの原則を支持し、各国政府・NGOに対して尊重するように求めてまいります。来る1月にニューヨークで開かれる作業部会に出席するすべての政府・NGOのメンバーには、作業部会の成果の中にこれらの新しい概念が完全に反映させることが期待されています。
議長、
効果的な条約を策定するためには、強固で現実的なモニタリング機構が不可欠です。国連においては人権条約体の改革議論が進行しておりますが、この条約のモニタリング機構の権能は、他の既存の人権条約のそれと比べて低いものであってはなりません。
私たちは、この条約は市民的及び政治的権利の側面を含むと認識しています。ですから、この条約には、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約第14条や拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約第22条に見られるような、選択条項の形式で、個人通報制度が含まれるべきであります。同様に、この条約において、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約第2条や人種差別撤廃条約第2条に見られるように、締約国は個人、団体または企業による障害者に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる旨を規定するべきであります。
議長、
この条約を策定するに当たって、NGOと政府が強固な関係を築き上げるべきであることを強調したいと思います。日本においては、国内の障害に関係したNGOと外務省とが今年5月以来、幾度か対話を持っております。最近では、内閣府、法務省、厚生労働省などもこの会議に参加するようになりました。また、6月の特別委員会と先月の地域ワークショップには、弁護士でもあるNGOの代表者が政府代表団に加わりました。
議長、
最後に、今回の会議において実の多い議論が行われ、この地域でこの重要な条約の推進がなされますよう、期待を述べさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。