要望書・意見書
■最終更新 2013年4月4日
障害者基本法改正に関する申し入れ
2004年3月17日
自由民主党障害者特別委員会
委員長 八代 英太 様
日本障害フォーラム準備会
代表 兒玉 明
障害者基本法改正に関する申し入れ
貴党におかれましては、障害者の権利の実現、その施策の向上にご尽力されていることに、心より敬意を表する次第です。
私たち日本障害フォーラム準備会(以下、JDF)は、2002年のアジア太平洋障害者の十年最終年フォーラムを契機に、全国レベルの障害当事者団体や支援団体によって構成されるゆるやかな連絡組織をめざしています。
私たちの運動の共通項として、国際的には障害者の権利条約の制定、国内的には障害者差別禁止法の立法化などが重点課題とされています。
昨年、障害者基本法の改正案が国会に提出されましたが、国会の解散や諸情勢の中で廃案となってしまいました。
JDFは障害者差別禁止法の立法化を実現するにあたって、そのワンステップとして障害者基本法の改正が必要であると認識しています。また中央障害者施策推進協議会の設置や市町村障害者計画の義務化は、障害者基本計画や障害者プランを着実に実行するための不可欠な条件であると考えます。
3月9日(火)に自由民主党から「障害者基本法の一部を改正する法律案要綱」が示されました。それを見る範囲においては、昨年の改正案よりも前進が図られている部分もあるように受け取れます。
JDFは障害者施策の更なる前進という見地に基づき、障害者基本法の改正の実現の立場に立ちながら、下記の事項を改正案に盛り込まれるよう強くお願い申し上げる次第です。
記
1. 改正案の中の見直し規定(附則)に関連し、障害者差別禁止法の制定の必要性について盛りこむこと。
2. 障害の定義については、難病その他の疾病を加え、それらの疾病に起因して、「日常生活または社会生活に相当な制限を受ける者」とし、「継続性」については削除すること。
3. 改正案における第3条(基本的理念)第2項については、「すべて障害者は、社会を構成する一員として(略)あらゆる分野の活動に参加する機会が権利として保障されるものとする」等と、権利性のあるものにし、恩恵的と思われる表現を改めること。
4. 同じく第3条(基本的理念)第3項及び第4条(国及び地方公共団体の責務)において、国や地方公共団体の責務の中で「差別の防止を図り」とあるのを、「差別禁止に立脚し」とその内容を明確化させ、包括的な実効性のある差別禁止条項とすること。
5. 同じく第16条(雇用の促進等)の中に、「国および地方公共団体は、障害者のより安定した雇用支援政策を図るために、医療および人的ケア、所得等に配慮した施策を講じるように努めなければならない」という主旨の条文を新設すること。
以上
【注】同じ内容の申入書を、2004年3月23日付で、民主党 代表 菅 直人 様宛にも提出。