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■最終更新 2013年4月4日
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【声明】障害者の権利条約の採択にあたって
【声明】障害者の権利条約の採択にあたって
2006年12月13日に、第61回国連総会は障害者の権利条約を採択しました。国連では総会のもとに設置された特別委員会で2002年7月以来、障害者の人権を保障するための国際条約を検討してきました。丸4年以上をかけた作業の成果として、条約が採択されたことを受けて、日本の障害NGOを代表する立場にある日本障害フォーラム(JDF)としての声明を発表します。
日本障害フォーラムは障害者団体を中心に13団体から構成され、障害者の権利を推進することを目的に設立されたネットワークであり、条約及び関連国内施策に関する政府との意見交換、意見書(日本語、英語)の公表、権利条約推進議員連盟との協力、特別シンポジウムの開催、特別委員会への代表団派遣、条約案の翻訳、国連内のサイドイベントの開催、特別委員会でのNGOとしての発言、政府代表団への顧問推薦、世界の障害者ネットワークとの連携など、権利条約策定過程に国内外で積極的に参画してきました。
振り返れば、障害者の国際的条約提案が最初になされ、そして否定されたのは1987年でした。1981年の国際障害者年を受けて、1983年から実施されていた「国連・障害者の十年」の中間年である1987年に開かれたストックホルム専門家会議において、条約提案が行われたのです。国連の専門家会議として初めて障害者自身が過半数を占めたこの専門家会議で、障害者の権利を確立し、差別を撤廃するには、国際条約が必要だという声が、障害者自身から切実に表明されたのです。
あれから20年間を経て、国際社会はようやく障害者の権利条約を手にすることができました。率直に言って私たちはもっと強力な内容の条約を求めてきたため、これで満足という訳ではありません。しかし、障害者を含む誰もが差別されず、完全に参加できる社会を築き上げる取り組みの第一歩として、今は条約の採択を心から喜んでいます。社会にある障壁を除去し、障害者の人権と自由を確保するための国際的な合意が条約という具体的な形でようやく実現したからです。
21世紀初の人権条約となる本条約の国連総会での採択を受けて、わが国としては、国内施策と国際協力への条約の理念の反映ならびに批准と国内履行という大きな課題に対応することが求められます。とくにこの条約の策定過程においては、障害NGOが国際的に協力して「私たち抜きに私たちのことを決めないで!」を合言葉に多くの提言を行ってきました。
今後の条約批准と履行の過程すべてにおいて、障害者の実質的な参加の保障が強く求められます。この条約制定と実施は、「完全参加と平等」の世界的実現に向けて極めて重要な意義があり、日本障害フォーラムは、引き続き関係団体とも密接に連携しながら、前述した障害者権利条約採択後の諸課題の実現に向けて全力で取り組む決意です。
2006年12月15日
日本障害フォーラム(JDF)
※2006年12月15日、厚生労働省における記者会見にて
記者会見の模様
会見の共同主催者である「国連障害者の権利条約推進議員連盟」中山太郎会長、原口一博副会長、小野寺五典事務局長と、JDFメンバー