精神科病院敷地内における「地域移行型ホーム」、「退院支援施設」の施行凍結について（要望書）

平成１９年３月７日

厚生労働大臣
柳澤　伯夫　様

日本障害フォーラム
代表　小川　榮一

精神科病院敷地内における「地域移行型ホーム」、「退院支援施設」の<施行凍結について（要望書）

　平素より、精神保健福祉分野に強いご関心をお持ちいただき、また施策の推進に多大なご尽力をいただいていることに対し、心より敬意を表します。
　さて、昨年８月に、当団体は、別添の要望書を前厚生労働大臣に提出し、精神科病院敷地内施設の設置に反対する要望をしております。また、他の精神保健福祉関連の従事者団体もおしなべて反対の立場を取っており、こうしたこともあって、当初昨年１０月だった実施時期が本年４月に延期されたところです。
　しかしながら、精神科病院敷地内施設から地域移行を進めるための具体的なプログラムの議論も未だされておらず、このまま制度がスタートすれば、精神障害者を引き続き病院敷地内に閉じこめてしまうことになると強く危惧します。
　退院促進に向けた取り組みは、住まいの確保、相談支援の体制等をととのえることにより、すべて地域の中で行うことが可能です。一方、病院敷地内での地域移行という取り組みの場合は、真の地域移行につながるという保証はありません。障害者基本法や自立支援法の理念に照らして、どちらが、より適切で法の精神にかなうものであるかは、明らかであると考えます。
　したがって、本年４月の実施は凍結すべきであると考えます、この点、再考されるよう、強く要望いたします。併せて、精神障害者の退院促進や地域移行のための政策のあり方や具体的な進め方について、早急に当団体と厚生労働省の間で議論する場を設けていただくことを要望いたします。