要望書・意見書
■最終更新 2013年3月5日
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デジタルテレビ放送移行に伴うデジタルチューナーの無償配布について
2007年11月19日
総務大臣
増田 寛也 様
日本障害フォーラム
代表 小川 榮一
デジタルテレビ放送移行に伴うデジタルチューナーの無償配布について
時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、私たち障害者の福祉向上については、深いご理解とご配慮をいただき、厚くお礼申し上げます。
さて、2011年にアナログテレビ放送が終了し、デジタルテレビ放送に移行されます。それは進歩として歓迎されることでありますが、一方で、障害者日常生活用具として指定されている聴覚障害者情報通信機器「アイ・ドラゴンII」の使用ができなくなります。
「アイ・ドラゴンII」は、財団法人全日本ろうあ連盟と社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会などが中心となって1988年に結成された特定非営利活動法人CS障害者放送統一機構による、聴覚障害者のための手話と字幕を付与したCS通信による「目で聴くテレビ」、特に緊急災害情報保障のための機材です。テレビ放送は「アイ・ドラゴンII」内蔵のアナログチューナーにより受信し字幕番組を視聴することができます。
しかし、2011年のデジタルテレビ移行後は、テレビ放送受信のためにより高価なデジタル対応テレビ、またはデジタルテレビチューナーの購入を余儀なくされます。私たちが多くの関係者の理解と支援によって築き上げてきた緊急災害情報、『手話と字幕』を保障した「目で聴くテレビ」が受信できる「アイ・ドラゴンII」がデジタルテレビ放送に使用できなくなることは、これまでの成果を一挙に無に帰しかねない大きな損失です。
2006年12月13日に国連総会で「障害者権利条約」が全会一致で採択されました。今後は条約を踏まえ、公共放送における障害者に関する平等の権利保障を推進していく必要があります。
よって、下記の措置をとって下さるようお願いします。
記
1. 経済的な理由で地上デジタル放送を視聴できなくなることが見込まれる世帯に対して、受信機器の購入に関する支援が検討されており、来年の夏頃に公表される予定となっていますが、視・聴覚障害者及び高齢者も支援の対象とし、機器の無償配付を行って下さい。その場合すでに普及しているアナログテレビ用「アイ・ドラゴンII」に接続して使用する「アイ・ドラゴンII用デジタルチューナー」を配付に加えてください。
2. デジタルテレビ放送において『手話と字幕』、『解説放送』、CS通信において「目で聴くテレビ」の両方が見られるように「アイ・ドラゴンII」をデジタル放送に完全対応とする予定です。これを視・聴覚障害者及び高齢者にも無償配付の対象として下さい。
3. 特定非営利法人CS障害者放送統一機構の「目で聴くテレビ」は、デジタルテレビ放送においても、障害者のための補完放送として大きな意義があることを認めていただき、その財政的支援を行って下さい。
以上