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障がい者制度改革推進会議 第二次意見の審議経緯に関する対比表

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2011年1月21日 日本障害フォーラム(JDF)

障がい者制度改革推進会議 第二次意見の審議経緯に関する対比表

  推進会議の問題認識 (第28回推進会議・資料3) 推進会議の問題認識に対する関係省庁の見解 (第28回推進会議・資料3) 基本法改正に当たって政府に求める事項に関する意見 (関係省庁と調整を経た案、第29回推進会議・資料1) 基本法改正に当たって政府に求める事項に関する意見 (第二次意見確定版)
1.障害者基本法改正の趣旨・目的
2.総則関係
1)目的 ・ すべての障害者が基本的人権の享有主体であること及びこの権利の実現のためには 自立と社会参加を保障するための支援が必要であること。   ○障害者が、障害のない者と等しく、基本的人権の享有主体であることを前提として 障害者基本法の目的を改正すること。 ○障害者が、障害のない人と等しく、基本的人権の享有主体であることを確認し、 そのことを前提として障害者基本法の目的を改正すること。
・ 障害のない者との格差、及び障害者間の種別・程度による制度間格差をなくし、 すべての障害者に障害のない者と平等の権利を保障すること。
*確定版は以下の通り
・ 障害のない人との格差、及び障害者間の種別・程度による制度間格差をなくすと共に、各障害の独自の障害特性やニーズにも配慮することによって、すべての障害者に障害のない人と平等の権利を保障すること。
(1) 「障害者間の種別・程度による制度間格差をなくし」とされているが、障害の種別によって、必要となる支援は当然異なるものであり、また、障害の程度によって、必要となる支援の内容や量は異なるべきものである。
  支援の必要な程度に応じて、それぞれの方に最も適切な支援を行っていくという考え方が必要と考えられる。(厚生労働省)
・(外務省-別紙4参照)
   
・ 障害の有無にかかわらず、何人も分け隔てられることのない、インクルーシブな社会が日本の目指すべき社会であること及び国はこの社会の形成に向けて合理的配慮や必要な支援が充足されるよう、政策を実施する責務があること。   ○障害の有無にかかわらず、国民が分け隔てられることなく相互に個性と人格を尊重する社会を実現するために必要な施策を推進する旨を障害者基本法の目的に加えること。 ○障害の有無にかかわらず、国民が分け隔てられることなく相互に個性と人格を尊重する社会を実現するために、合理的配慮や必要な支援の充足を通じて必要な施策を推進する旨を障害者基本法の目的に加えること。
・ 現行基本法の第1条(目的)は、本意見書「Ⅰ-1.障害者基本法改正の趣旨・目的」の観点を踏まえて修正し、「福祉を増進する」という表記は用いないこと。 (2) 「「福祉を増進する」という表記は用いないこと」とされているが、「福祉」の語は、児童福祉、高齢者福祉、社会福祉などの用例とともに、国民の福祉という用いられ方もするものであり、障害者について、「福祉」の語を用いるべきではないと結論づける場合には、広く国民的な議論が必要と考えられる。(厚生労働省)
  以上すべての点について
→ 御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
○障害者を福祉施策の客体としてのみとらえているという印象を与える表現は用いないこと。 ○障害者を福祉施策の客体としてのみとらえているという印象を与える表現は用いないこと。
2)定義 ・ 障害の定義は、制度に基づく支援を必要としながらもその対象から除外される障害者、いわゆる「制度の谷間」を生まない包括的なものとし、個人の心身の機能の損傷と社会との関係において社会的不利益を発生するという視点を明らかにし、さらに、周期的に変調する状態なども含みうるものとすること。 ・「個人の機能の損傷」にどのようなものが当たるか、「社会との関係において社会的不利益を発生する」とは具体的にどのようなものか、「周期的に変調する状態など」とはどのような状態かが明らかにされないと、国民にとって、誰が障害者に当たり、 誰が障害者ではないかが分からない。
・個別の施策毎に、「障害者」の定義や施策の対象者の範囲が異なりうることも留意されるべきである。(厚生労働省)
・(外務省-別紙4参照)
→ 御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
○障害の定義は、「社会モデル」の考え方を踏まえたものとするとともに、周期的又は断続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者がすべて含まれるような包括的で幅広いものとすること。 ○障害の定義は、「社会モデル」の考え方を踏まえたものとするとともに、周期的又は断続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける場合も含まれるような包括的で幅広いものとすること。
3)基本理念 ・ 現行法の規定に加えて、障害者が基本的人権の享有主体であることを確認すること。 ・基本的人権については憲法により平等に明らかにされているものと考えられるが、 障害者についてのみ、「障害者が基本的人権の享有主体であることを確認する」ことにより、 どのような法的効果が生じるのかを明らかにしておく必要がある。(厚生労働省)
→ 御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
○すべて障害者は障害のない人と等しく基本的人権の享有主体として個人の尊厳が重んぜられ、 その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること。 ○すべて障害者は障害のない人と等しく基本的人権の享有主体として個人の尊厳が重んぜられ、 その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すること。
・ 地域社会で生活する権利を確認するとともに、その実現に向けた施策の具体化のための措置を取ること。 → 我が国においては、憲法で基本的人権が保障され、その下でこれを具体化する権利義務が個別法に規定されている。
  これを前提として、基本法において「地域社会で生活する権利」という抽象的な規定の仕方が適切かどうか、また障害者の地域生活については現在総合福祉部会で検討が進められているところであるので、場合によっては、基本法において障害者の地域生活を実現するための施策の方向性を規定し、具体的な権利については総合福祉法(仮称)の中で規定することが望ましいか等の観点も含め、現行国内法制との整合性にも配慮しつつ、慎重に検討する必要がある。(内閣府
○障害者権利条約における「地域社会で生活する平等の権利」を踏まえたものとすること。 ○障害者権利条約における「地域社会で生活する平等の権利」を有することを確認すること。
・ 障害者が必要とする支援を受けながら、自己決定を行えることが保障されること。 → 御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府) ○すべて障害者は必要な支援を受けながら自らの決定に基づき、社会を構成する一員として様々な分野の活動に参加する機会を有すること。 ○すべて障害者は必要とする支援を受けながら、自ら下した決定に基づき、社会を構成する一員として様々な分野の活動に参加する権利を有することを確認すること。
・手話等の言語性を確認するとともに、必要な言語の使用及びコミュニケーション手段の利用が保障されること。
*確定版は以下の通り
・ 言語には音声言語とともに手話等の非音声言語が含まれることを確認し、 必要な言語の使用及びコミュニケーション手段の利用が保障されること
・ 障害者のあらゆる生活分野において、情報へのアクセスを確保する施策を促進すること。
・「手話等の言語性を確認する」とされているが、具体的にどのような意味であり、 どのような法的効果が生じるのかを明らかにしておく必要がある。(厚生労働省)
→ 手話等が言語であることを規定することによって、どのような法的な効果があるのかといった観点も含め、 どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
○手話等の非音声言語が言語であることを前提として、障害者が、必要な言語を使用し、 必要なコミュニケーション手段を利用するという障害者権利条約における「表現及び意見の自由についての権利」を踏まえたものとすること。 ○手話等の非音声言語が言語であることを確認し、障害者が、必要な言語を使用し、 必要なコミュニケーション手段を利用するという障害者権利条約における「表現及び意見の自由についての権利」を有することを確認すること。
 4)差別の禁止  ・ 法の下の平等のもとで障害に基づく差別が禁止されること。  → 御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)    
 ・差別の定義において、直接差別のみならず、間接差別も含むものとし、 さらに合理的配慮を提供しない場合も差別であることを明らかにすること。  ・合的配慮を提供しない場合も差別である」とあるが, 障害者権利条約においては,差別には「合理的配慮の否定(第2条)」を含むと規定されている。 したがって,障害者権利条約の規定を正確に反映させるのであれば, 「合理的配慮を提供しない場合」を「合理的配慮の否定」に修正することが適当である。(外務省)  ○障害者権利条約における直接または間接的な差別や合理的配慮の定義を踏まえ、 障害に基づく差別に係る規定を見直すこと。  ○障害者権利条約における直接または間接的な差別や合理的配慮の定義を踏まえ、 障害に基づく差別に係る規定を見直すこと。
 ・障害者権利条約を踏まえて、合理的配慮の定義を設けること。  ・国民に義務を課す規定となることから、 「直接差別」、「間接差別」、「合理的配慮」、「複合差別」といった語の意味を明らかにするとともに、 国民に求める差別の禁止とはどのようなものかを明らかにする必要がある。
また、合理的配慮について、障害者権利条約において「均衡を失した又は過度の負担を課さない」 とされていることも踏まえる必要がある。 (厚生労働省)
・合的配慮を提供しない場合も差別である」とあるが,障害者権利条約においては,差別には 「合理的配慮の否定(第2条)」を含むと規定されている。したがって,障害者権利条約の規定を正確に反映させるのであれば, 「合理的配慮を提供しない場合」を 「合理的配慮の否定」に修正することが適当である。(外務省)
以上の2点について
→ 御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。 なお、直接差別、間接差別及び合理的配慮の具体的な定義や内容については、今後差別禁止部会において検討していただく必要がある。(内閣府)
   
 ・障害に基づく差別を禁止する法制度を整備すること。  →現行法第10条においては、障害者基本法の目的を達成するために必要な法制上の措置を講じなければならないこととされており、これに基づき、推進会議や差別禁止部会における検討を踏まえつつ差別禁止法制を整備することとなる。(内閣府)    
 ・障害者にかかる啓発、相談、研修等の分野において、 差別問題、特に複合差別についての視点を踏まえて施策が行われること。  →御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)    
 ・差別の実態を明らかにし、その防止に向けた理解の普及啓発を図るため、 国は事例の収集、整理、及び提供を行うこと。    ○国は、障害に基づく差別の実態を明らかにし、その防止に関する普及啓発を図るため、 差別事例の収集、整理及び提供を行うものとすること。  ○国は、障害に基づく差別の実態を明らかにし、その防止に関する普及啓発を図るため、 差別及びその防止に関する事例の収集、整理及び提供を行うものとすること。
 5)障害のある女性  ・日本が女子差別撤廃条約を批准したことを政策に反映すべく、国及び地方公共団体は、障害のある女性が、 性の違いに基づくあらゆる区別、排除又は制限を受けることなく、 すべての人権及び基本的自由を享受する権利を行使できるようあらゆる施策を講ずること。
*確定版は以下の通り
・日本が女子差別撤廃条約を批准したことを政策に反映すべく、障害のある女性が、性の違いに基づくあらゆる区別、排除又は制限を受けることなく、 すべての人権及び基本的自由を享受する権利を行使できるようあらゆる施策を講ずること。
 → 御意見を障害者基本法にどのように反映させていくことができるか検討してまいりたい。(内閣府)  ○複合的な困難を抱える障害のある女性が置かれている状況に十分に配慮しつつ、 その権利を擁護するために必要な施策を講ずること。  ○複合的な困難を抱える障害のある女性が置かれている状況に十分に配慮しつつ、 その権利を擁護するために必要な施策を講ずること。
 ・国及び地方公共団体は、障害のある女性が、家庭の内外で暴力の犠牲になりやすい存在であること、 すべての女性が当然享受できるはずの性と生殖の権利を認められなかった過去の歴史等、不当に取り扱われてきた事実を受け止め、 障害のある女性の性と生殖に係る人権が、侵されないよう、最大限の注意をはらわなければならないこと。
*確定版は以下の通り
・ 障害のある女性が、家庭の内外で暴力の犠牲になりやすい存在であること、 すべての女性が当然享受できるはずの性と生殖の権利を認められなかった過去の歴史等、 不当に取り扱われてきた事実を受け止め、障害のある女性の性と生殖に係る人権が、侵されないよう、 最大限の注意をはらわなければならないこと。
     
 ・国及び地方公共団体は、障害のある女性が複合的な差別を受けていることを施策上の重要課題に位置付け、 障害のある女性の完全な発展、地位の向上、及びエンパワーメントの確保に必要な措置を講ずること。
*確定版は以下の通り
・障害のある女性が複合的な差別を受けていることを施策上の重要課題に位置付け、障害のある女性の完全な発展、地位の向上、 及びエンパワーメントの確保に必要な措置を講ずること。
     
 ・基本的施策において示される各領域の施策は、 障害のある女性の権利を確保することを考え方の基本として踏まえつつ実施されること。
*確定版は以下の通り
・基本的施策において示される各領域の施策は、障害のある女性の権利を確保することを考え方の基本として踏まえつつ実施されること。
     
 6)障害のある子ども  ・障害のある子どもは、障害のない子どもと等しく、すべての権利が保障されること。    ○障害のある子どもが障害のない子どもと等しく一人の子どもとして尊重され、 地域社会において必要な支援が提供されるとともに、その保護者等に対しても必要な支援が提供されるための施策を講ずること。  ○障害のある子どもが障害のない子どもと等しく児童の権利条約等で認められている 「意見表明権」を含む人権が認められ、一人の子どもとして尊重され、地域社会において必要な支援が提供されるとともに、 その保護者等に対しても必要な支援が提供されるための施策を講ずること。
 ・障害のある子どもに対しては、一般の児童施策において取り組まれ、 個人に必要な合理的配慮と必要な支援を講ずること。
*確定版は以下の通り
・障害のある子どもの施策は、一般の児童施策において取組まれ、個人に必要な合理的配慮と必要な支援を講ずること。
     
 ・障害のある子どもは、意見を表明するための支援を受けつつ、 自己にかかわる事項について意見を表明する権利があり、表明された意見はすべての関係者によって考慮されること。  ・「意見を表明する権利」については、一般児童福祉法制には規定がないが、 障害児についてのみ法令に規定することが適当か。全ての子どもに共通するものとして、児童福祉法制全体の中で議論する必要があるのではないか。
なお、「関係者によって考慮されること」については、障害者の権利に関する条約第7条において、「障害のある児童の意見は、他の児童と平等に、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮される」とされていることも踏まえる必要がある。(厚生労働省)
   
 ・障害のある子どもにかかわる判断や決定について、 第一次的責任と権限を有する保護者及び親権者は、障害児が表明した意見を最大限尊重して、その判断をなすべきであること。
*確定版は以下の通り
・障害のある子どもにかかわる判断や決定について、その最善の利益が考慮されなければならないが、 第一次的責任と権限を有する保護者及び親権者を含むすべての関係者
・関係機関は、障害のある子どもが表明した意見を最大限尊重して判断や決定をなすべきであること。
     
 ・障害に基づいて家族や地域社会から隔離されたり、不利益な取り扱い受けずに、 一人の子どもとして尊重されるよう、障害のある子ども及びその家族に対する支援を講ずること。
*確定版は以下の通り
・家族に過度な負担や責任を求めること等により、障害のある子どもが家族や地域社会から隔離されたり、 不利益な取扱いを受けずに、一人の子どもとして尊重されるよう、障害のある子ども及びその家族に対する支援を講ずること。
     
 7)国及び地方公共団体の責務  ・国及び地方公共団体は、障害者が地域社会で自立した生活を営む権利を保障し、 並びに障害者間の制度的格差をなくすための措置を講ずる責務を有すること。
*確定版は以下の通り
・障害者が地域社会で自立した生活を営む権利を保障し、並びに障害者間の制度的格差をなくすための措置を講ずる責務を有すること。
・国及び地方公共団体は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するための措置を講ずる責務を有すること。
*確定版は以下の通り
・障害に基づくあらゆる差別を禁止するための措置を講ずる責務を有すること。
 →我が国においては、憲法で基本的人権が保障され、 その下でこれを具体化する権利義務が個別法に規定されている。
これを前提として、基本法において「地域社会で生活する権利」という抽象的な規定の仕方が適切かどうか、 また障害者の地域生活については現在総合福祉部会で検討が進められているところであるので、場合によっては、 基本法において障害者の地域生活を実現するための施策の方向性を規定し、 具体的な権利については総合福祉法(仮称)の中で規定することが望ましいか等の観点も含め、現行国内法制との整合性にも配慮しつつ、慎重に検討する必要がある。(内閣府)
・「障害者間の制度的格差をなくすための措置」について
→総則「1)目的」の(1)で示したとおり(厚生労働省)
→御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
→(外務省-別紙4参照)
 ○国及び地方公共団体は、障害者権利条約における 「地域社会で生活する平等の権利」を踏まえ、地域生活と社会参加に必要な支援の措置を講ずるとともに、 障害に基づく差別を防止する責務を有すること。
○国及び地方公共団体は、障害の種別や程度に基づく不合理な制度的な格差をなくす責務を有すること。
 ○障害者権利条約における「地域社会で生活する平等の権利」を保障し、 地域生活と社会参加に必要な支援を講ずるとともに、 容易に合理的配慮を提供できるための支援を含め障害に基づく差別を防止する責務を有すること。
○障害の種別や程度に基づく不合理な制度的な格差を無くす責務を有すること。
     ○障害者を福祉施策の客体としてのみとらえているという印象を与える表現は用いないこと。  ○障害者を福祉施策の客体としてのみとらえているという印象を与える表現は用いないこと。
 8)国民の理解・責務  ・障害者を含むすべての人が、障害と障害者に関する理解の上で、 相互に権利を尊重する責務があることを確認するとともに、障害者は保護されるべき対象であるとの誤解を受けかねない 「障害者の福祉の増進に協力するよう」との表現は避けること。
*確定版は以下の通り
・障害者を含むすべての人が、障害と障害者に関する理解の上で、相互に権利を尊重する責務があることを確認するとともに、 障害者は庇護されるべき対象であるとの誤解を受けかねない「障害者の福祉の増進に協力するよう」との表現は避けること。
 ・「障害者の福祉の増進に協力するよう」について
→総則「1)目的」の(2)で示したとおり (厚生労働省)
→御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
 ○国及び地方公共団体は、障害のない者と等しく有する障害者の権利に関する 国民の理解を深めるために必要な施策を講ずること。
○国民は、障害の有無にかかわらず、相互に権利を尊重しなければならないこと。
○障害者は庇護される対象であるかのような誤解を招く表現は用いないこと。
 ○障害のない人と等しく有する障害者の権利に関する国民の理解を深めるために必要な施策を講ずること。
○国民は、障害の有無にかかわらず、相互に権利を尊重しなければならないこと。
○障害者は庇護される対象であるかのような誤解を招く表現は用いないこと。
 ・事業者等の責務を明らかにすること。  →国民の責務とは別に、事業者特有の責務として総則に規定すべものがあるか、 また、各則における事業者の責務に関する規定との整合性といった観点も含め、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。 なお、事業者の具体的な責務については、個別分野(雇用、公共的施設のバリアフリー、情報利用のバリアフリー) において具体的に規定されているところ。
また、合理的配慮の実施主体としての事業者の責務の具体的内容については、 今後差別禁止部会において検討していただく必要がある。(内閣府)
・「事業者等の責務を明らかにする」とあるが、具体的に、事業者等が何を行う責務があるのかを明らかにしておく必要がある。
・総則「4)差別の禁止」で示したとおり、障害者権利条約において、 合理的配慮について「均衡を失した又は過度の負担を課さない」とされていることも踏まえる必要がある。(厚生労働省)
   ○事業者等は、障害者が障害のない人と共に同じ社会の一員であることを踏まえ、 合理的配慮等により、その事業活動が障害者にも等しく及ぶことを認識し、 障害者の権利の実現とその地位の向上に寄与するよう努めるものとすること。
 9)国際的協調  ・障害者の尊厳に資する観点から国際的協調のもとで障害者施策が進められること。
*確定版は以下の通り
・障害者の尊厳の尊重及び権利の確保に資する観点から国際的協調のもとで障害者施策が進められること。
 →御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)  ○障害者に関する施策は国際的協調の下に行われなければならないこと。  ○障害者に関する施策は、障害者の尊厳の尊重及び権利の確保に資する観点から、 国際的協調の下に行われなければならないこと。
 10)障害者週間  ・障害者週間の目的を表わすにあたって「障害者の福祉」や「積極的に参加する意欲を高める」といった表現をさけ、 社会の在り方の問題を踏まえて、より一層の社会参加を図るといったことが理解できるような表現とすること。  →御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
・「「障害者の福祉」といった表現を避け」について
→ 総則「1)目的」の(2)で示したとおり(厚生労働省)
 ○障害者の社会参加を促進する観点から障害者週間を位置づけるとともに、 障害者は庇護される対象であるかのような誤解を招く表現は用いないこと。  ○障害者の社会参加を促進する観点から障害者週間を位置づけ、 障害者の団体を始めとする民間団体等の参画を得るとともに、障害者は庇護される対象であるかのような誤解を招く表現は用いないこと。
 11)施策の基本方針  ・障害者に関する施策は、障害者の自立、社会参加を困難にする社会的な要因を除去する観点から、 障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて、関係機関の効果的な連携のもとで、総合的に策定され、実施されること。    ○障害者に関する施策は、障害者の自立及び社会参加を困難にする社会的な要因を除去する観点から、 障害者の性別、年齢、障害の状態及び生活の実態に応じて実施されなければならないこと。
○障害の特性や状態に配慮しつつ、それぞれの障害者の生活の困難さに応じて必要な支援が提供されること。
 ○障害者に関する施策を講ずるに当たっては、 障害者の自立及び社会参加を困難にする社会的な要因を除去する観点から行うものとし、 障害者の性別、年齢、障害の状態に配慮するとともに、それぞれの障害者の選択した生活形態や環境を含む生活の実態や その困難さに基づいて必要な支援の提供が計画、実施されなければならないこと。
 ・障害者に関する施策は、障害の特性や状態に必要な配慮をしながらも障害者の選択した生活形態や 環境において必要な支援が受けられるよう「社会モデル」的視点の判断がなされるべきである。
*確定版は以下の通り
・障害者に関する施策は、障害の特性や状態に必要な配慮をしつつ障害者の選択した生活形態や環境において必要な支援が受けられるよう 「社会モデル」の視点の判断がなされるべきである。
 ・「「社会モデル」的視点から何が必要な支援であるかの判断がなされるべき」とあるが、 具体的に、関係者やすべての国民が、どのような判断をすべきなのかが分かるようにするべきである。(厚生労働省)    
 ・障害者に関する施策は、障害者の生活実態に関する調査を一般国民と比較可能な形で行い、 これを踏まえて策定され、実施されること。      
 ・したがって、障害の種別・程度の違いにより、 支援が受けられないなどの制度的な格差が生ずることのないよう実施される必要があるとともに、 障害者の選択と自己決定(支援された自己決定を含む)が十分に尊重され、障害者が地域において、 制度の谷間を生むことがなく切れ目のない支援を受けながら自立した地域生活を営む権利が保障されるものでなければならないこと。
*確定版は以下の通り
・したがって、障害の種別・程度の違いにより、支援が受けられないなどの制度的な格差や制度の谷間が生ずることのないよう 実施される必要があるとともに、障害者の選択と自己決定(支援された自己決定を含む)が十分に尊重され、 障害者が地域において、切れ目のない支援を受けながら自立した地域生活を営む権利が保障されるものでなければならないこと。
 ・「制度的な格差」について
→総則「1)目的」の(1)で示したとおり
・「切れ目のない支援」とあるが、すべての障害者が、24時間にわたって連続して切れ目のない支援を受けている訳ではない。 例えば1日のある時間帯だけ支援を受ける、あるいは1週間のうちある日だけ支援を受ける障害者も多い。 したがって、「切れ目のない支援」という語については、誤解を生まないような表現に改めるべきである。(厚生労働省)
 ○障害者への必要な支援等、障害者権利条約における「地域社会で生活する平等の権利」を踏まえ 必要な施策が講じられなければならないこと。  ○障害者への必要な支援等、障害者権利条約における「地域社会で生活する平等の権利」を踏まえ 必要な施策が講じられなければならないこと。
 ・障害者に関する施策は、その施策の策定と実施のプロセスに可能な限り障害者その他の関係者が参画して意見を述べ、 当該意見が尊重されること。
*確定版は以下の通り
・障害者に関する施策は、その施策の策定と実施のプロセスに対して、可能な限り障害者及び関係者が過半数を占める委員会を設置するなど、 当該意見が尊重されるようにすること。
 ・「障害者の意見の尊重」とあるが、例えば、障害者の方と障害のない方の利害が対立するような場合に、 障害者の意見が一方的に尊重されると基本法たる法に規定することは適当ではない。 「可能な限り尊重」や「尊重されるよう配慮」のような表現の方が国民の理解を得やすいのではないか。(厚生労働省)
以上すべての点について、
→御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
 ○障害者に関する施策を講ずるに当たっては、障害者その他の関係者の意見を聴き、 当該意見が可能な限り尊重されなければならないこと。  ○障害者に関する施策を講ずるに当たっては、障害者及び関係者の意見を聴き、 当該意見が可能な限り尊重されなければならないこと。
     ○障害者を福祉施策の客体としてのみとらえているという印象を与える表現は用いないこと。  ○障害者を福祉施策の客体としてのみとらえているという印象を与える表現は用いないこと。
 12)その他  【障害者基本計画等】
国及び地方公共団体は、障害者に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより障害者基本法の目的を達成するため、 障害者及び関係者の参画を得て、障害者のための施策に関する基本的な計画を策定するべきである。
 →御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
(文部科学省-総則全体、別紙2-2参照)
 ○国及び地方公共団体は、障害者及び関係者の参画を得て、 障害者のための施策に関する基本的な計画(国にあっては障害者基本計画、 地方公共団体にあっては都道府県又は市町村障害者計画)を策定すること。  ○障害者及び関係者の参画を得て、 障害者のための施策に関する基本的な計画(国にあっては障害者基本計画、 地方公共団体にあっては都道府県又は市町村障害者計画)を策定すること。
 【法制上の措置等】
国は、障害者基本法の目的を達成するために、差別禁止法制を含む必要な法制上、及び財政上の措置を講ずるべきである。
   ○国は、障害者基本法の目的を達成するために、差別禁止法制を含む必要な法制上及び財政上の措置を講ずること。  ○国は、障害者基本法の目的を達成するために、差別禁止法制を含む必要な法制上及び財政上の措置を講ずること。
 【年次報告】
政府は、障害者の置かれた状況、及び障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を、 毎年、国会に提出するべきである。
   ○国は、障害者の状況及び障害者のために講じた施策等の概況に関する報告書を毎年国会に提出すること。  ○国は、障害者の状況及び障害者のために講じた施策等の概況に関する報告書を毎年国会に提出すること。
 3.基本的施策関係
 1)地域生活  ・障害者の生活を支える支援は、障害者手帳の有無にかかわらず、支援を必要とするあらゆる障害者に提供されること。  ・「障害者の生活を支える支援」とは、 具体的にどのような分野における支援であるのかを明らかにしておく必要がある。
・「障害者手帳の有無にかかわらず、支援を必要とするあらゆる障害者」については、 総則「1)目的」の(1)で示したとおりである。(厚生労働省)
・(文部科学省-地域生活全般、別紙2-2参照)
 ○障害者が地域社会において生活する上で必要とする支援がニーズに応じて 障害者に提供されるよう必要な施策を講ずるとともに、障害者の地域移行を計画的に推進すること。  ○障害者が地域社会において生活する権利を実現する上で必要とする支援が制度の谷間なく、 かつ障害者の様々な日常生活や活動において、自らの必要に応じて提供されるよう、多様な選択肢の確保を含む必要な施策を講ずるとともに、 障害者の地域移行を計画的に推進すること。
その際、家族に対する支援も含め、専ら家族に依存することがないようにするための必要な措置を講ずること。
 ・支援の支給決定に当たっては、 本人の選択しようとする生活に困難をもたらす障壁を除去するために必要な支援を本人との協議調整を経る仕組みとすること。  ・「支援の支給決定に当たっては、本人の選択しようとする生活に困難をもたらす障壁を除去するために必要な支援を本人との協議調整を経る仕組みとすること」については、現在総合福祉部会で支給決定の仕組みにつき議論されており、今後さらに、障害者総合福祉法案の検討過程において検討されるべきものであること
・そもそも協議調整の具体的な仕組み(支給決定の公平性、透明性及び客観性を担保する仕組みなど)について課題が多く、実際に実現可能かどうか検討される必要があることから、現時点で「協議調整を経る仕組みとする」という一定の結論を示すべきではない。(厚生労働省)
   
 ・支援は、従来の福祉施策の分野にとどまらず、学校、職場、その他社会参加の分野においても適切な形で、 しかも、切れ目のない形で提供されること。
*確定版は以下の通り
・支援は、就労が困難な者を対象とした生産的活動や創作・趣味活動の場等を含む福祉施策の分野にとどまらず、 家庭、学校、職場、その他の社会生活における幅広い分野においても適切な形で、しかも、本人の必要に応じて切れ目なく提供されること。
 ・「切れ目のない形で提供されること」については、総則「10)施策の基本方針」の(3)で示したとおりである。
・誰がどのような「支援」を行うのかを明らかにしておく必要がある。また、「支援」には合理的配慮も含まれるかどうかを明らかにしておく必要がある。(厚生労働省)
   
 ・地域移行に向けて、通常の生活形態である自宅や賃貸住宅等における生活支援や24時間の介助、 過渡的にはグループホームやケアホームなどの地域社会における生活を可能とする多様な選択肢が確保されること。
*確定版は以下の通り
・地域移行に向けて、通常の生活形態である自宅や賃貸住宅等における生活支援や24時間の介助、グループホームやケアホーム等の地域社会における生活を可能とする多様な選択肢が確保されなければならないこと。また、その際、障害者の選択が強要又は強制されることがあってはならず、いったん選択した後に、再度その選択を見直すことが妨げられてはならないこと。
 ・「24時間介助」とあるが、支援の内容については、 障害の状態や生活環境などを踏まえて個々に必要性が判断されるべきものであり、「必要に応じた24時間の介助」のような表現とすべきである。
・「過渡的には、グループホームやケアホーム」とあるが、グループホームやケアホームは障害のある方の多様な住まいの場の一つの形態であり、 必ずしも過渡的なものと言えないのではないか。過渡的なものであるかどうかについては、 高齢者福祉等の他の制度との関係も含め、十分に議論される必要がある。(厚生労働省)
   
 ・障害者の地域における生活を実現するために家族支援を行うこと。      
 ・障害者の地域移行を計画的に進めることとし、そのための住居の整備を計画的に推進する。
*確定版は以下の通り
・障害者の地域移行を計画的に進めることとし、そのための住居の整備を計画的に推進すること。
 (1) 平成3年以降に新たに整備される公営住宅については、整備基準において、 バリアフリー対応構造を標準仕様としている。
(2) また、地方公共団体が実施する公営住宅の整備事業やストック改善事業について、 国は社会資本整備総合交付金による支援を行っているところ。
上記のとおり、本件については既に必要な措置を講じているところであり、引き続き、その取組みや支援を実施する。
(実施時期・検討期間)
交付金事業については、平成17年度から実施(平成17年度~21年度:地域住宅交付金、平成22年度:社会資本整備総合交付金)。 平成23年度予算において概算要求を行っているところ。 ※ 平成16年以前においても、補助金事業として公営住宅の整備事業等を支援。(国土交通省)
   
 ・利用者負担に関して、仮に負担が求められる場合でも本人の所得を基礎とした応能負担を原則とすること。
*確定版は以下の通り
・利用者負担に関して、仮に負担が求められる場合でも、定率負担とすることなく、本人の所得を基礎としたものとすること。
 ・総合福祉部会で利用者負担の仕組みにつき議論することとされており、今後さらに、 障害者総合福祉法案の検討過程において検討されるべきものであることから、 現時点で「本人の所得を基礎とした応能負担を原則とする」という一定の結論を示すべきではない。
・「本人の所得を基礎とした応能負担」とあるが、他の社会保障制度との関係や民法の扶助義務との関係、 障害児についても保護者ではなく障害児本人の所得を基礎とすることの問題を踏まえれば、 「本人の所得」のみを勘案する仕組みとすることは困難である。
・本年6月に閣議決定した財政運営戦略では「ペイアズユーゴー」原則が定められており、具体的な制度の実施に当たっては財源確保の観点も併せて検討しなければならない点に留意が必要である。(厚生労働省)
   ○利用者負担に関して、仮に負担が求められる場合でも、定率負担とすることなく、 また本人の所得を基礎とすること。
 2)労働及び雇用  ・労働施策と福祉施策を一体的に展開することにより、 可能なかぎり障害者が障害のない者と平等に一般労働法規の適用が受けられるようにするとともに、 生計の維持可能な賃金の確保などのために必要な支援を受けられるようにすること。
*確定版は以下の通り
・労働施策と福祉施策を一体的に展開する仕組みを整備することにより、可能なかぎり障害者が障害のない人と平等に一般労働法規の適用が受けられるようにするとともに、生計の維持可能な賃金の確保などのために必要な支援を受けられるようにすること。
 (厚生労働省 別紙3-1参照)
(厚生労働省 別紙3-2参照)
 ○障害者が合理的配慮を受けることにより、 障害のない者と平等に働く機会が確保されるよう、必要な施策を講ずること。  ○労働政策と福祉政策を一体的に展開し、 働くことを希望するすべての障害者が合理的配慮及び必要な支援を受けることにより、 障害のない人と平等に労働者としての権利が守られ、生計を立て得る収入が得られるとともに、 働く機会が確保されるよう、必要な施策を講ずること。
 ・働く場での合理的配慮及び必要な支援として、障害に応じた職場環境と労働条件の整備、 ジョブコーチ等の人的支援の配置、コミュニケーション支援などの支援を受けられるようにすることにより、 障害者が障害のない者と平等に雇用され、働くことができるようにすること。
*確定版は以下の通り
・働く場での合理的配慮及び必要な支援として、障害に応じた職場環境と労働条件の整備、 ジョブコーチや介助者等の人的支援の配置、コミュニケーション支援などの支援を受けられるようにすることにより、 障害者が障害のない人と平等に雇用され、働くことができるようにすること。
 ・「必要な支援を通じて働くイメージを形成するための支援」は、 どのような意味であるか分かりにくいため、表現を改めるべきではないか。
・「障害者が障害のない者と平等に雇用され」る状態は、どのような状態であるのかを明らかにしておく必要がある。
  誰が「平等に雇用され、働くことができる環境、条件」を整備し、またそのような環境や条件はどのようなものであるのかを明らかにしておく必要がある。(厚生労働省)
・総則「7)国民の理解・責務」の(3)で示したとおり、 「均衡を失した又は過度の負担を課さない」とされていることも踏まえる必要がある。(厚生労働省)
(厚生労働省 別紙3-2参照)
   
 ・障害者の休職、昇進及び復職に関し必要な措置を講ずること。
*確定版は以下の通り
・障害者の求職、昇進及び復職に関し必要な措置を講ずること。
 ・「障害者の休職、昇進及び復職に関し必要な措置」とはどのような措置であり、 誰が講じるものなのかを明らかにしておく必要がある。(厚生労働省)    
 ・障害者雇用義務の対象を知的障害、身体障害から、他のあらゆる障害に拡大すると共に、 職業上の困難さに着目した障害認定を行うために必要な措置を講ずること。  ・「あらゆる障害」の定義が明らかではないが、 雇用義務の対象範囲については、民間企業に義務を課すものであり、法的安定性、公平性が確保される必要があることに留意が必要である。
・また、「職業上の困難さに着目した障害認定」の定義及び具体的方法が明らかでないが、あらゆる業種・職種が存在する中で、 雇用義務の対象となる範囲を決定する認定であることから、 法的安定性、公平性が確保される必要があることに留意が必要である。(厚生労働省)
 ○障害者の雇用に係る施策を講ずるに当たっては、長期にわたり、 職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難であると認められる障害者が、その対象に含まれるようにすること。  ○障害者雇用義務の対象を身体障害、知的障害から、他のあらゆる種別の障害に拡大するとともに、職業上の困難さに着目した障害認定を行うために必要な措置を講ずること。
 ・障害者が障害のない人と平等に、職業紹介等のサービスを利用できるようにすること。  ・【一般の職業紹介サービス等の利用】における記載を想定していると思われるが、 当該項目に記載されている「生涯学習を含めたキャリア形成支援」の趣旨を明らかにする必要がある。
・現在も、障害者が一般の方と同様の職業紹介サービス等を受けることは妨げられていないため、 具体的にどのような点において、平等に職業紹介サービス等を利用できるようにすべきかを明らかにする必要がある。(厚生労働省)
   
 ・障害者に対し、障害のない者と平等に多様な就業の場が整備され、 また生計を立てうる適切な仕事が安定的に確保されること。
*確定版は以下の通り
・障害者に対し、障害のない人と平等に多様な就業の場が整備され、 また生計を立てうる適切な仕事が安定的に確保される仕組みが整備されること。
 ・「障害のない者と平等に多様な就業の場が整備」とは具体的にどのような措置であり、 誰がその措置を講じるのかを明らかにしておく必要がある。
・「生計を立てうる適切な仕事」とは具体的にどのような仕事を指すのか、また、「安定的に確保される」とは、 どのような状態を指し、そのためにどのような措置を講じるのかを明らかにしておく必要がある。(厚生労働省)
 ○障害者が多様な就業の場における仕事により、生計を立てる機会が確保されるよう、必要な施策を講ずること。  ○障害者が障害のない人と平等に生計を立てる機会を安定的に確保できるよう、 自営も含め多様な就業の場を創出するとともに、仕事等の確保も含む必要な施策を講ずること。
 3)教育  ・障害のある子どもは、他の子どもと等しく教育を受ける権利を有し、 その権利を実現するためにインクルーシブな教育制度を構築すること。  (文部科学省-別紙2-1参照)  ○障害のある子どもの教育的ニーズに的確にこたえられる教育を提供する多様で柔軟な仕組みを整備するとともに、 そのために必要な合理的配慮や必要な支援が提供されるために必要な施策を講ずること。  ○障害のある子どもは、他の子どもと等しく教育を受ける権利を有し、 その権利を実現するためにインクルーシブな教育制度を構築すること。
 ・「障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにする」という現行の規定は、 障害の種類と程度によって就学先が決定されることを許容し、インクルーシブな教育制度と矛盾する恐れがあるため表現を改めること。  (文部科学省-別紙2-1参照)    
 ・障害のある子どもとない子どもが、同じ場で共に学ぶことができることを原則とするとともに、 本人・保護者が望む場合に加えて、最も適切な言語やコミュニケーションを習得するために特別支援学校・学級を選択できるようにすること。  (文部科学省-別紙2-1参照)    ○障害のある子どもとない子どもが、同じ場で共に学ぶことができることを原則とするとともに、 本人・保護者が望む場合に加えて、最も適切な言語やコミュニケーションを習得するために特別支援学校・学級を選択できるようにすること。
 ・本人・保護者の意に反して、地域社会での学びの機会を奪われることのないようにすること。  (文部科学省-別紙2-1参照)    ○就学先の決定に際し、本人・保護者の意に反して決定がなされないことを原則とすること。
 ・学校設置者は、当該障害者に必要な合理的配慮を提供することはもとより、 追加的な教職員の配置や施設・設備の整備等の条件整備を行うために計画的に必要な措置を講ずること。  (文部科学省-別紙2-1参照)    ○障害のある子どもの個別のニーズに的確にこたえるため、 合理的配慮や必要な支援が提供されるために必要な施策を講ずること。
 ・インクルーシブな教育の原則を踏まえ、 子ども同士のつながりを障害のない子どもと同程度にするように交流及び共同学習の実施方法を見直すこと。  ・「インクルーシブな教育の原則を踏まえ、 子ども同士のつながりを障害のない子どもと同程度にするように交流及び共同学習の実施方法を見直すこと。」 の具体的内容が不明である。
・交流及び共同学習は、障害のある子どもと障害のない子どもが相互理解を深めることを目的としている。 中央教育審議会においても、交流及び共同学習を進める必要があるという方向で議論が進められており、 このような議論も踏まえつつ、地域や学校の実態に応じて実施することが必要であると考える。(文部科学省)
・(外務省-別紙4参照)
 ○障害のある子どもと障害のない子どもの交流及び共同学習について、 互いに地域社会を含む社会の一員としての相互理解が深められるよう必要な施策を講ずること。  
 4)健康、医療  ・十分な説明を受けた上で、自由な意思に基づく同意・選択によって障害に基づく差別なしに 必要な医療が受けられること。  ・医療法及び医師法において、次のとおり規定されている。
・医療法上、医師等の医療の担い手は、医療を提供するにあたり、適切な説明を行い、 医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないとされている。
 (※医療法(昭和23年法律第205号)第1条の4第2項に規定)
・また、医師法上、医師は、正当な理由がなければ、患者からの診療の求めを拒んではならないこととされている。
(※医師法(昭和23年法律第201号)第19条第1項に規定)(厚生労働省)
・(外務省-別紙4参照)
 ○障害者の人権に配慮しつつ、必要な医療が提供されるために必要な施策を講ずること。  ○障害者の人権を確保しつつ、必要な医療が提供されるために必要な施策を講ずること。
 ・医療及び医療的ケアの必要性が高い重症心身障害者や重度障害者等が地域社会で自立した生活を営むことができるよう、 日常生活、社会生活の場において訪問医療等の必要な医療や生活支援サービスが提供されること。  ・「医療的ケア」、「訪問医療等」、「生活支援サービス」については、 「全体について」の(1)で示したとおり、言葉の意味を明確にすることが必要である。(厚生労働省)  ○障害者が地域社会で自立した生活を営むことができるよう、 日常生活における可能な限り身近なところで必要な医療や支援サービスが提供されるために必要な施策を講ずること。  ○障害者が地域社会で自立した生活を営むことができるよう、 日常生活における可能な限り身近なところで必要な医療や支援サービスが提供されるために必要な施策を講ずること。
 ・日常生活における医療的ケアが、介助者等によっても行える体制の整備がなされること。 難病その他の疾患等により支援の必要な状態にある人には、身近なところで専門性のある医療が提供されるとともに、 地域社会で自立した生活を営むために必要なサービスが提供されること。  ・「日常生活における医療的ケアが、介助者等によっても行える体制の整備がなされること」については、 介助者等が行える医行為の範囲に関して、利用者の安全の確保等の観点から、別途慎重な議論を行う必要がある。
・難病患者への保健、医療、福祉、生活の質(QOL)の向上については、 地方自治体向け補助金として「難病特別対策推進事業」(下記(1)~(4))を設け、地域における難病対策の支援・推進を図っている。
(1) 難病相談・支援センター事業(難病患者・家族に対する相談支援)
(2) 重傷難病患者入院施設確保事業(医療施設等の整備)
(3) 難病患者地域支援対策推進事業(地域における保健医療福祉の充実・連携)
(4) 難病患者等居宅生活支援事業(QOLの向上を目指した福祉施策の推進)(厚生労働省)
   
 ・障害原因の軽減や根本治癒についての再生医療に関する 研究開発の推進が図れるよう必要な措置を取ること。
・難病等についての調査研究の推進がなされること。
 ・難病に関する調査研究については、厚生労働科学研究費補助金において 「難治性疾患克服研究事業」を実施し、研究の推進を図っている。(厚生労働省)  ○障害の原因となる難病等の治療や症状の軽減に係る調査及び研究を推進すること。  ○障害の原因となる難病等の治療や症状の軽減に係る調査及び研究を推進すること。
 ・人権尊重の観点を踏まえた適切な精神医療の体制整備が図られること。  (厚生労働省 別紙3-2参照)    
 5)障害原因の予防  ・「障害の予防」という表現は使用しないこと。  ・「障害の予防」という表現は使用しないこと」とあるが、 障害の原因となるものについて予防するという観点は必要ではないか。(厚生労働省)  ○障害に対する否定的な考え方を前提とする表現は用いないこと。  ○障害に対する否定的な考え方を前提とする表現は用いないこと。
 ・障害の原因となる疾病に対する予防対策は、一般公衆衛生施策の中で位置付けられて行われること。  ・「一般公衆衛生施策の中で位置付けられて行われること」とあるが、 どのような意味かを明らかにする必要がある。
例えば、精神疾患の予防については、精神保健の施策の中で行われているが、精神保健は一般公衆衛生施策に含まれるのか。 (厚生労働省)
 ○障害の原因の予防のための施策は、公衆衛生又は医療に係る施策の一環として講ずること。  ○障害の原因の予防のための施策は、公衆衛生又は医療に係る施策の一環として講ずること。
 6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続きの確保  ・すべての精神障害者は、原則として病院への隔離・収容を受けることなく、 地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を営む権利があること。
*確定版は以下の通り
・すべての精神障害者が強制的な入院を受けることなく、地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を営む権利があることを確認し、 その実現のため、国及び地方公共団体は、入院によらない医療の提供を含め、必要な生活支援のための施策を講ずるとともに、 精神病床数が必要最小限となるよう計画的な削減を促進すべきであること。
 ・「隔離・収容」という言葉は適正ではないのではないか。 現在も、医療の必要性や法に基づく適正な手続により入院医療が行われているところである。(厚生労働省)
(厚生労働省 別紙3-2参照)
 ○精神障害者の地域移行を計画的に推進し、 地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を送れるように必要な施策を講ずるとともに、精神医療の提供に当たっては、適正な手続きに従って行われなければならないこと。  ○精神障害者の社会的入院を解消し、強制的措置を可能な限り無くすため、 精神病床数の削減その他地域移行に関する措置を計画的に推進し、家族に特別に加重された責任を負わせることなく、 地域社会において必要な支援を受けながら自立した生活を送れるよう通院及び在宅医療のための体制整備を含め必要な施策を講ずること。
 ・自らの判断と選択による精神医療の利用が基本であるとともに、 例外的に非自発的な医療が行われる場合には、厳密で適正な手続きが確保されること。
*確定版は以下が追加されている
・これと並行して、国は、保護者制度について見直し、これに代わる公的機関の関与する制度とすることを含め、 適正な手続を確保するための制度を整備すること。
 (厚生労働省 別紙3-2参照)    ○障害者に対する非自発的な入院その他の本人の意思に基づかない隔離拘束を伴う例外的な医療の提供に際しては、 基本的人権の尊重の観点に基づき、当該医療を受ける障害者に対して、 障害のない人との平等を基礎とした実効性のある適正手続を保障する制度を整備すること。
 7)
相談等
 
 ・障害者が利用しやすい身近な場で、いつでも相談を利用できる体制を整備し、 相談の場面では、障害者の求めに応じ必要なコミュニケーション手段を提供すること。
*確定版は以下の通り
・障害者が利用しやすい身近な場で、いつでも相談を利用できる体制を整備し、相談の場面では、本人中心の支援がされ、 障害者の求めに応じ必要なコミュニケーション手段を提供すること。
 ・コミュニケーション手段の提供については、障害者の相談は福祉分野の相談に限らず、 すべての場面で行われるものであり、コミュニケーション手段の保障は福祉的支援として 行われるものに限定されるものではないことに留意すべきである。(厚生労働省)  ○障害者が必要なコミュニケーション手段の提供を受けながら 身近な地域で相談することができるための施策を講ずること。  ○障害者が必要なコミュニケーション手段の提供を受けながら 身近な地域で相談することができるための施策を講ずること。
 ・障害者自身が相談業務を担う機会を増やすために必要な措置を講じること。
*確定版は以下の通り
・障害者・家族が相談業務を担う機会を増やすために必要な措置を講ずること。
 ・「障害者自身が相談業務を担う機会を増やすために必要な措置を講じること」とあるが、 障害者自身が担うものに限らず、障害者の相談の充実を図っていくことが必要であり、また、障害者が誰から相談を受けるかは、 障害者自身の選択によるものであることから、障害者自身が担うもののみについて、記述することは均衡を欠く。
また、相談「業務」に限らず相談を行う機会を増やす必要があることから、「相談業務」は「相談」とすべき。(厚生労働省)
 ○障害者に関する相談が適切に行われるよう、 障害者自身による相談対応やそれ以外の者による相談対応など、相談対応を行う者に対する必要な研修等の必要な施策を講ずること。  ○障害者に対する人権侵害に関する事項を含む多様な相談が適切に行われるよう相談体制の整備を図り、 障害者自身又は家族による相談やそれ以外の者による相談等、相談を行う者に対する必要な研修等を行い、制度に位置づけること。
 ・相談業務を担う者に対し、障害についての知識、障害者に対する差別に関する知識、障害のある女性、 子ども、重度障害者が複合的な差別を受ける立場にあることについての理解等、人権について研修を行うこと。  ・法務省の人権擁護機関においては,人権侵害の被害者の相談などに適切に対処するため, 人権擁護事務を担当する法務局職員及び人権擁護委員に対し,各種研修を実施するなど,必要な措置を講じている。(法務省)    
 8)住宅  ・障害者の地域社会での生活を可能とするため、公営住宅施策においては、障害者の地域移行を促進し、 また重度の障害者も含め、障害者の居住に適した住宅の提供という観点から計画的に整備し、民間住宅政策においては、 民間賃貸住宅への入居の円滑化を促進するとともに、居住可能な住宅建設や容易に利用するうえで必要となる支援の措置を取るという観点から、 総合的な住宅施策をとること。    ○障害者の地域移行を促進し、地域社会における生活を可能とするため、 様々な障害者の生活のニーズに応じた住宅を確保するために必要な施策を講ずること。  ○障害者の地域移行を促進し、地域社会における生活を実現するため、 様々な障害者自らの必要に応じた住宅を確保するために必要な施策を講ずること。
 (以下は、実施すべき事項)
・公営住宅が地域生活を可能にし、地域移行を促進するための基盤の一つとしての役割を果たし得るものであることから、 バリアフリーの観点から障害に配慮した公営住宅の数を増やすだけでなく、ユニバーサルデザインの観点から、 すべての建物が障害者や高齢者が利用できる公営住宅の整備を計画的に取り組む。特に、障害者の単身者用の公営住宅の整備を促進する。
 ・平成3年以降に新たに整備される公営住宅については、 整備基準において、バリアフリー対応構造を標準仕様としている。
・また、地方公共団体が実施する公営住宅の整備事業やストック改善事業について、 国は社会資本整備総合交付金による支援を行っているところ。
上記のとおり、本件については既に必要な措置を講じているところであり、 引き続き、その取組みや支援を実施する。
(実施時期・検討期間)
・交付金事業については、平成17年度から実施(平成17年度~21年度:地域住宅交付金、平成22年度:社会資本整備総合交付金)。 平成23年度予算において概算要求を行っているところ。
※平成16年以前においても、補助金事業として公営住宅の整備事業等を支援。
 (政府に求める今後の取組みに関する意見)
○障害者の個々のニーズに応じた住宅を確保するため、公営住宅を含めた賃貸住宅等が的確に供給されるよう、 総合福祉部会における議論との整合性を図りつつ検討し、平成23年内にその結論を得る。
 (政府に求める今後の取組みに関する意見)
○障害者の個々のニーズに応じた住宅を確保するため、公営住宅を含めた賃貸住宅等が的確に供給されるよう、 総合福祉部会における議論との整合性を図りつつ検討し、平成23年内にその結論を得る。
 ・公営住宅の申し込みに当たり、常時介助が必要な障害者であっても入居資格に条件を付されることなく、 単身で入居申込みができる制度にする。【国土交通省】  ・公営住宅の入居資格である同居親族要件(公営住宅法第23条第1項第1号、 公営住宅法施行令第6条第1項)については、地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案において、廃止されることとなっている。
(実施時期・検討期間)
・法律案を第174回国会提出、現在継続審議中。(国土交通省)
   
 ・障害者の利用しやすい民間住宅の建築を促進するため、バリアフリー化が進んだ良質な住宅建設に対し、 補助金や金利優遇措置等を講ずるとともに、バリアフリー改修工事に係る費用助成等の施策も促進する。  ・社会資本整備総合交付金により、地方公共団体による民間住宅のバリアフリー改修補助事業について、 支援を行っているところ。
・バリアフリー改修促進税制による支援
(実施時期・検討期間)
・平成17年度から実施(平成17年度~21年度:地域住宅交付金、平成22年度:社会資本整備総合交付金)。 平成23年度予算において概算要求を行っているところ。
・平成19年度から実施。(国土交通省)
 ○住宅のバリアフリー化を促進するための支援策について検討を行い、平成24年内を目途に結論を得る。  ○住宅のバリアフリー化を促進するための支援策について検討を行い、平成24年内を目途に結論を得る。
 ・公的な家賃債務保証制度は、基本約定締結の対象戸数に比べ保証引受件数が少ないことから、利用者に対する制度
の周知を図るとともに、利用しやすい仕組みづくりの在り方を検討し、より利用しやすい債務保証制度となるように必要な措置を講ずる。
 ・家主1件当たり基本約定を1件締結する必要のある現行手続きを見直し、事務手続きを簡素化することを検討する。
その際、基本約定の締結について、家主に対して保証制度の内容について理解を求めるための措置を講じることが必要となる。
・また、平成21年7月に、(財)高齢者住宅財団の「家賃債務保証業務規程」を変更し、従来の債務保証の対象が障がいの程度の高い世帯に限られていたところ、障がいの程度が低い障がい者世帯も対象に追加している。これにより、民間賃貸住宅への入居のニーズが相対的に高い世帯層も保証の対象となっており、こうした制度の変更等を含め、引き続き周知を図っていく。
(実施時期・検討期間)
・平成23年度に(財)高齢者住宅財団の家賃債務保証業務規程を変更して、制度を円滑に利用するための見直しを実施。
・平成23年度以降、引き続き周知を実施。(国土交通省)
 ○公的な家賃債務保証制度を利用しやすくするための具体的方策や、 住宅セーフティーネット法に基づく居住支援協議会が有効に活用されるための具体的方策について検討し、平成24年内を目途に結論を得る。  ○公的な家賃債務保証制度を利用しやすくするための具体的方策や、 住宅セーフティーネット法に基づく居住支援協議会が有効に活用されるための具体的方策について検討し、平成24年内を目途に結論を得る。
 ・住宅セーフティネット法に基づき居住支援協議会 (地方公共団体や関係事業者、居住支援団体等で構成)を組織することができるが、有効に活用されていない実態を踏まえ、必要な支援を講ずる。  ・居住支援協議会の活用に当たっては、 住宅確保要配慮者の居住の安定確保を目的に組織される居住支援協議会の立ち上げや活動を支援する事業を実施しているところ。
(実施時期・検討期間)
・平成22年度から実施。平成23年度予算において概算要求を行っているところ。(国土交通省)
   
 ・民間賃貸住宅への円滑な入居を促進するとともに、賃貸契約の申込み拒絶等、 民間賃貸住宅の利用に当たり生じる問題において、差別問題が発生しないよう当面対応可能な必要な措置を取りつつ、 その解決の仕組みの在り方について、差別禁止部会での議論を踏まえ、引き続き推進会議においても検討を進める。【国土交通省】  ・民間賃貸住宅市場において入居制限が行われている等を踏まえ、 住宅確保要配慮者の居住の安定確保を目的に組織される居住支援協議会の立ち上げや活動を支援する事業を実施しているところ。
(実施時期・検討期間)
・平成22年度から実施。平成23年度予算において概算要求を行っているところ。(国土交通省)
 ○民間賃貸住宅の利用に当たり生じ得る障害に基づく入居拒否の問題への対処を含め、 障害者が円滑に民間賃貸住宅へ入居できるよう、必要な支援について、差別禁止部会での議論を踏まえて検討し、平成24年度内を目途に結論を得る。  ○民間賃貸住宅の利用に当たり生じ得る障害に基づく入居拒否の問題への対処を含め、 障害者が円滑に民間賃貸住宅へ入居できるよう、必要な支援について、差別禁止部会での議論を踏まえて検討し、平成24年度内を目途に結論を得る。
 ・公営住宅をグループホーム等として利用が進むよう必要な措置を講ずる。【国土交通省】  ・公営住宅をグループホーム等として利用する措置については、 障害者が地域で暮らせる社会の実現に向けて有効性が認められることから、公営住宅法第45条においてその使用が認められているところである。
・また、公営住宅をグループホーム等として利用するための改良工事費については、社会資本整備総合交付金事業による補助対象としているところ。
・更に、その利用促進については、「公営住宅のグループホーム事業への活用に関するマニュアルについて」 (平成21年5月19日付け国住備第167号)において、公営住宅の同事業へのより一層の活用が図られるような措置を講じているところ。
上記のとおり、本件については既に必要な措置が講じているところであり、引き続き、その取組みや支援を実施する。
(実施時期・検討期間)
・交付金事業については、平成17年度から実施(平成17年度~21年度:地域住宅交付金、平成22年度:社会資本整備総合交付金)。 平成23年度予算において概算要求を行っているところ。(国土交通省)
   
 ・グループホーム等における支援の在り方について、居宅支援サービス等も含め、 居住者のニーズに応じた多様な支援が可能となるよう、引き続き総合福祉部会で検討する。  グループホーム・ケアホームにおいて既に居宅支援サービスが行われており、 これに加えて別の事業者から居宅支援サービスの提供を受けることとした場合、
・サービスの提供に係る責任の所在が不明確となり、必要かつ十分なサービスが提供できないおそれや、 事故発生時 に十分な対応がなされないおそれがある
・サービスを二重で受けることとなり、公費負担も二重払いとなってしまうといった問題があるので、 「居宅支援サ ービス等を含め」は削除すべきである。
(実施時期・検討期間)
・グループホーム等のあり方については、現在、総合福祉部会で検討中であり、 来年8月に新法の骨格提言を行うと 承知している。(厚生労働省)
   
 ・グループホーム等の建設に当たって、 建築基準法や消防法の基準を満たす上で必要となる設備等に対する必要な支援を講ずるとともに、 既存の集合住宅等を利用した棟を一にしない形のグループホーム等の形態について、 総合福祉部会における議論も踏まえつつ必要な措置を講ずる。  ・前段のグループホーム等に関する建築基準法や消防法の基準を満たすための改修等については、 現行の国庫補助制度において既に措置済である。
・建築基準法や消防法の規制がグループホーム等の建設抑制にならないよう必要な措置について検討すべきである。
・後段のグループホーム等の形態については、総合福祉部会で検討されているところであり、「既存の集合住宅等を 利用した棟を一にしない形のグループホーム等の形態について」の必要な措置を講ずることを前提とした表現は適当ではない。
(実施時期・検討期間)
・建築基準法や消防法の基準を満たすための改修等については、既に措置済である。
・グループホーム等のあり方については、現在、総合福祉部会で検討中であり、 来年8月に新法の骨格提言を行うと承知している。(厚生労働省)
   
 ・グループホーム等の建設に際し、地域住民との間に生じたトラブルについては、 差別禁止部会における議論も踏まえつつ、紛争を調整する仕組みの構築等必要な措置を講ずる。【厚生労働省】  ・事後的に地域住民との紛争を調整する仕組みを構築するよりも、 事前に紛争が生じないよう地域住解を深める施策を重点的に実施することが重要と考えるため、以下のとおり表現を改めるべきである。 「グループホーム等の建設に際し、地域住民との間に生じたトラブルへの対応については、差別禁止部会における議論も踏まえつつ検討する。」
(実施時期・検討期間)
・内閣府に置かれた差別禁止部会における議論を踏まえ、今後、検討する。(厚生労働省)
 ○グループホーム等の建設に際し、地域住民との間において生ずるトラブルへの対応については、 差別禁止部会における議論も踏まえつつ検討し、平成24年度内を目途に結論を得る。  ○グループホーム等の建設に際し、地域住民との間において生ずるトラブルへの対応については、 差別禁止部会における議論も踏まえつつ検討し、平成24年度内を目途に結論を得る。
 9)ユニバーサルデザインと技術開発  ・製品、環境、計画及びサービスの設計などに当たっては、 可能な限りすべての人が利用できるようにするというユニバーサルデザインの理念が、施策に反映されるようにすること。
*確定版は以下の通り
・製品、環境、計画及びサービスの設計などに当たっては、 可能な限りすべての人が利用できるようにするというユニバーサルデザインの理念が、施策に反映されるようにすること。
・その際には、可能な限り障害当事者が参画し、その意見を踏まえたものとすること。
*確定版は以下の通り
・障害当事者が規格策定や評価に関与できる社会的仕組みを設け、障害者の意見を踏まえたものとすること。
 ・国際ルールであるISO/IEC Guide71をもとに制定したJIS Z 8071 (高齢者及び障がいのある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針)において、 「アクセシブルデザイン(狭義のユニバーサルデザイン)」という概念を定義しており、 その概念に基づいて、現在、包装容器の識別、消費生活用製品の凸記号表示、触知案内図など約30のJIS(日本工業規格)を制定している。
・新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」という)において、福祉用具の実用化研究を行う民間企業等に公募を行い、高齢者や障害のある人等の生活の質の向上を目的として優れた創意工夫ある研究開発に対して補助(2/3以内)を行っている。(経済産業省)
 ○ユニバーサルデザインの理念があらゆる施策に反映されるようにすること。  ○ユニバーサルデザインの理念があらゆる施策に反映されるようにすること。
 ・同時に、特定のニーズに応じ、または、生活上の障壁となるものを除去するための支援機器の普及、 技術開発について、必要な措置を講ずること。
*確定版は以下の通り
・同時に、特定のニーズに応じ、又は生活上の障壁となるものを除去するため、 障害者のニーズを調査研究し、世界の技術開発の成果をも取り入れた障害者の支援機器の普及、技術開発について、必要な措置を講ずること。
   ○障害者が自立した日常生活や社会参加を行うために必要な福祉用具等の研究開発や普及のために 必要な施策を講ずること。  ○障害者が自立した日常生活や社会参加を行うために必要な福祉用具等の研究開発や普及のために 必要な施策を講ずること。
 10)公共的施設のバリアフリー化と交通・移動の確保  ・国及び地方公共団体は、地域間格差の実情を踏まえ、 切れ目のない交通手段も確保するという観点から、地方における公共施設や交通機関等のバリアフリー整備の促進をより一層計画的に推進すること。
*確定版は以下の通り
・地域間格差の実情を踏まえ、切れ目のない交通・移動手段を確保するという観点から、 地方における公共施設や交通機関等のバリアフリー整備の促進をより一層計画的に推進すること。
 ・バリアフリー化の計画的推進は、現行の障害者基本法において既に規定済みと認識。
・バリアフリー新法に基づく基本方針に定める移動等円滑化の目標は、 限られた財源で最大の整備効果を得るために全国一律の基準で定めているものであり、 大都市部、地方部ともに、全体として更に整備が進むよう、可能な限り対象施設の範囲を拡大することを検討しているところである。
・各地域における交通手段の連続性の確保については、地域の実情に基づき、 バリアフリー新法に基づく移動等円滑化基本構想において措置することが可能である。(国土交通省)
 ○障害者のニーズを踏まえた形で大都市部のみならず地方部においてもバリアフリー化を計画的に推進すること。  ○切れ目のない交通・移動手段を確保する観点から、障害者のニーズを踏まえ、 大都市部のみならず地方部においてもバリアフリー化を計画的に推進するとともに、 適切な接遇や合理的配慮を確保するために必要な施策を実施すること。
 ・国及び地方公共団体における公共的施設、 交通機関等の整備に関する計画の策定にあたっては、障害者の参画と意
見を尊重し、当事者のニーズを適切に踏まえたものとすること。
 ・国については、バリアフリー新法第4条において、高齢者・障害者等と協力して、 その意見を反映させるために必要な措置を講じた上で、移動等円滑化の促進のための施策の内容について、 適時に、かつ、適切な方法により検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨規定されている。
・地方公共団体については、同法第5条において国の施策に準じて必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨、また、市町村については、同法第25条において移動等円滑化基本構想を作成しようとするときは高齢者・障害者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずる旨、さらに同法26条において基本構想の作成等に関して高齢者・障害者等を含む協議会を組織できる旨、協議会において協議が調った事項についてはその結果を尊重しなければならない旨等が規定されている。
・以上により、障害者の参画等については制度的に措置されており、殊更、障害者基本法において屋上屋を重ねるような措置を講ずる必要はないと認識。(国土交通省)
   
 ・国及び地方公共団体は、合理的配慮を確保するために必要な施策を実施すること。
*確定版は以下の通り
・合理的配慮を確保するために必要な施策を実施すること。
 ・「合理的配慮」に関しては、新たな概念であり、 社会的影響が非常に大きいものと考えられるが、現段階において、その具体的内容について政府全体における議論は何ら進展しておらず、 共有認識も確立されていないにも関わらず、障害者基本法の各施策分野において拙速に規定を置くことは妥当性を欠き、 不適当と認識。仮に何らかの規定を置くとしても、総則における規定とすべき。(国土交通省)    
 11)情報アクセスと言語・コミュニケーション保障  ・障害者は、すべての人権及び基本的自由を完全に享有することを可能とするため、 必要な情報及びコミュニケーション手段が保障される権利を有する。
*確定版は以下の通り
・障害者がすべての人権及び基本的自由を完全に享有することを可能とするため、様々な情報へのアクセス、 自らが必要とする言語の使用、及び多様なコミュニケーション手段の使用が保障される権利を有することを確認し、 それを実現するために必要な措置を講ずること。
・国及び地方公共団体は、障害者が情報にアクセスし、必要とするコミュニケーション手段を使用することができるよう、 必要な施策を講ずること。
   ○障害者が必要とする情報収集手段やコミュニケーション手段を使用することができるよう必要な施策を講ずること。  ○障害者が様々な情報にアクセスし、また自ら必要とする言語を使用し、 更に多様なコミュニケーション手段を利用することができるよう必要な施策を講ずること。
 ・国及び地方公共団体は、災害時において、 障害の特性に対応した伝達手段による緊急連絡等の必要な支援を障害者に提供及び相互に連絡できるよう必要な施策を講ずること。
*確定版は以下の通り
・災害時において、障害の特性に対応した伝達手段による緊急連絡等の必要な支援を障害者に提供及び相互に連絡できるよう必要な施策を講ずること。
 ・災害の発生場所、規模、内容、今後の動向、避難ルート、避難場所、避難先で得られる情報保障の内容(手話通訳者の有無等)、医療や配給等の情報、交通情報などの情報提供は、実際の災害が発生した場合には第一義的には地方公共団体において行われることとなるから、担当省庁及び地方公共団体の意見を聞くべきと考える。(内閣府)
・現在、「国家公安委員会・警察庁防災業務計画」において、都道府県警察は、防災訓練の実施、 防災知識の普及並びに災害発生時における被災状況、避難措置及び交通規制等に係る情報の伝達について、高齢者、障害者、 外国人等災害時要援護者に十分配慮するものとされているほか、避難誘導に当たっても、高齢者及び障害者について可能な限り車両等を活用して避難誘導を行うなど、十分配慮するものとされている。また、緊急交通路の確保については、障害者を区別することなく、人命の安全、被害の拡大防止、 災害応急対策の的確かつ円滑な実施等に配意して行うものとされている。
・各自治体においても障害者を含む災害時要援護者リストが作成され、 警察を含む関係機関において共有することによりこうした対応を可能とする枠組みが構築されている。(警察庁)
・建物内で火災が発生した場合の警報については、消防法令において当該建物の関係者に音による警報が義務付けられているのみであり、 また、個人の住宅においても、現在広く普及している火災警報器は、音のみによる警報となっている。 そのため、聴覚障害者に対応した火災警報設備等の普及推進方策について検討する必要がある。
→ 平成22年度より総務省消防庁において検討しており、今年度中に報告をとりまとめる予定。
・障害者への支援については、「災害時要援護者避難支援ガイドライン(H18.3)」において、行政側の情報伝達体制の整備、及び障害者の特性に配慮した情報伝達手段の確保の取り組みを進める必要性について指摘している。(総務省消防庁)
・災害時等の情報提供については、施設等のバリアフリー化の一環として、 視覚及び聴覚を通じた情報提供を行うよう誘導案内設備の整備をガイドラインに位置付け、 整備を促進しているところ。(国土交通省)
 ○災害情報の提供に当たっては、障害者の特性に配慮した伝達手段が提供されるよう必要な施策を講ずること。  ○災害情報の提供に当たっては、障害者の特性に配慮した伝達手段が提供されるよう必要な施策を講ずること。
 ・国及び地方公共団体は、事業者が障害者に障害のない人と同等の情報を提供できるよう、必要な施策を講ずること。
*確定版は以下の通り
・事業者が障害者に障害のない人と同等の情報を提供できるよう、必要な施策を講ずること。
     
 12)文化・スポーツ  ・障害者は、文化、スポーツ、レクレーション、余暇に参加し、これに貢献し、 これらを楽しむ権利があることを確認すること。  ・これらの参加を促進し支援していくことは必要と考えられるが、「権利」とは、具体的にどのような権利なのか、障害のない者の場合との関係も含めて整理が必要である。(厚生労働省)  ○障害者が文化・スポーツ等の分野において自主的に様々な活動をすることができるようにするために必要な施策を講ずること。  ○障害者が文化・スポーツ等の分野において様々な活動をすることができるようにするために必要な施策を講ずること。
 ・障害者は文化的意欲が乏しいので意欲を喚起させなければならないとの誤解を招きかねない現行の「障害者に文化
的意欲を起こさせ」という表現は用いないこととし、障害者が文化を創造し、貢献する主体であることを前提にした表現を用いること。
   ○文化・スポーツ等の分野において、障害者は庇護の対象であるかのような誤解を招く表現は用いないこと。  ○文化・スポーツ等の分野において、障害者は庇護の対象であるかのような誤解を招く表現は用いないこと。
 (以下は実施すべき事項)
・美術館や博物館における字幕や音声解説の普及、 鑑賞しやすい展示方法の改善や劇場での補聴援助システム等の整備などとともに、 国内の文化的に重要な記念物及び遺跡、歴史的建造物への障害者のアクセスについて、 どのような不都合が生じているかについての実態を把握し、可能な限り障害者の利用への配慮を行うなど、 鑑賞しやすい環境整備が行われるように必要な支援を行う。【文部科学省・関係省庁】
 ・博物館法第8条に定める「公立博物館の設置及び運営上の望ましい基準」(告示)(平成15年)において、 設置者に対し、博物館に障害者等の利用の促進を図るため必要な施設及び設備を備えるよう努めるよう促している。 また、本告示については、近く改正を行う方向で検討しているところであり、その中で障害者が鑑賞しやすい環境の整備についても十分に留意して参りたい。(実施時期・検討期間)
・上記告示の改正については、本年度内を目途に検討中。(文部科学省)
・文化庁においては、美術館・博物館に対して、字幕や音声解説の普及という施設整備支援ではなく、観覧へのソフト面の支援を実施。
・文化財の性質・所在・周辺環境は個々に異なることから、統一的な調査ではなく、 現状の文化財の価値を損なわない範囲でアクセスが容易となるよう、 個々の文化財ごとにアクセスの改善を図っていくことが適切。(実施時期・検討期間)
・美術館・博物館の観覧や、国内の文化的に重要な記念物及び遺跡、歴史的建造物への障害者のアクセスについて、 可能な限り障害者の利用への配慮を行うなど、鑑賞しやすい環境整備が行われるよう支援に努めており、 事例の収集を含めて今後とも引き続き必要な支援に努める。(文化庁)
 (政府に求める今後の取組みに関する意見)
○障害者が芸術・文化活動をする際に必要な配慮や支援等が提供されるための環境整備を図るための具体的方策を検討し、 平成23年度内を目途にその結論を得る。
 (政府に求める今後の取組みに関する意見)
○障害者が芸術・文化活動をする際に必要な配慮や支援等が提供されるための環境整備を図るための具体的方策を検討し、 平成23年度内を目途にその結論を得る。
 ・第一次意見における情報バリアフリーの一環として、映画、DVDへの字幕付与等について、 障害のある人に対する情報保障が行われるように必要な環境整備を図る。【関係省庁】  映画、DVDへの字幕付与については、既に業界団体や民間企業が連携して NPO法人メディアアクセスサポートセンターを立ち上げており、同団体において「聴覚障害者用字幕」「視覚障害者用音声ガイド」などの制作、 普及といった必要な措置が講じられている。
(実施時期・検討期間)
現時点では実施・検討について時期は未定だが、具体的な方策が判明次第、検討を始めることとしたい。(経済産業省)
   
 ・国又は地方公共団体は、障害者が差別なく、スポーツに参加できる機会を有することができるように、 官民の施設整備やスポーツ大会等の運営に当たってバリアフリーの整備及び、 合理的配慮の確保が行われるようにするなど、必要な環境整備を行い、障害者スポーツの振興を図る。  ・文部科学省では、スポーツ振興を進めるに当たって、基本的に障害を持った方とそうでない方の区別をせず、 広くスポーツ振興策として取組を進めている。今後10年間のスポーツ施策の方向性をとりまとめた「スポーツ立国戦略」を本年8月にとりまとめているが、 その中でも、スポーツに触れることができるようにするための機会の整備や指導者に育成についても盛り込んでいる。 なお、戦略には、特に、パラリンピアンの利用も含めたナショナルトレーニングセンターの在り方の検討、 パラリンピックなどの競技性の高い障害者スポーツについての連携強化などについて、個別事項として盛り込んでいる。 また、関係省庁との連絡会議を新設し、障害者スポーツも含めた総合的なスポーツ振興施策の実施を図ることとしている。 (文部科学省)
・一般の公立体育館等のバリアフリー化や備品の整備などの予算措置を講じている。(実施時期・検討期間)
・上記のとおり、現在すでに実施しているところである。(厚生労働省)
 ○障害者スポーツ振興のために必要な環境整備を図るとともに、 障害者スポーツの指導者の育成等の在り方について検討し、平成23年度内を目途にその結論を得る。  ○障害者スポーツ振興のために必要な環境整備を図るとともに、 障害者スポーツの指導者の育成等の在り方について検討し、平成23年度内を目途にその結論を得る。
 ・国又は地方公共団体は、特に競技性の高い障害者スポーツについては、 競技スポーツとしての一般への周知・理解を広め、これを育成するために財政的支援を含め必要な措置を講ずる。  ・総合国際競技大会指定強化事業などの予算措置を講じている。
(実施時期・検討期間)
・上記のとおり、現在すでに実施しているところである。(厚生労働省)
   
 ・国又は地方公共団体は、障害者がスポーツに触れる機会を増やし、 スポーツを行う障害者の裾野を広げるために、
障害者スポーツの指導者の育成等必要な措置を講ずる。
【文部科学省・厚生労働省】
 ・各種スポーツ・レクリエーション教室の開催及び指導員の養成などの予算措置を講じている。
(実施時期・検討期間)
・上記のとおり、現在すでに実施しているところである。(厚生労働省)
   
 ・移動支援、身体介助、コミュニケーション支援などの福祉的支援は 障害者が文化・スポーツ等を享受するために不可欠であることから、平成23年末を目途に総合福祉部会において進められている 福祉的支援の在り方の検討に当たっては、こうした観点も踏まえた検討を行う。 【厚生労働省】  ・支援の確保等は施策分野ごとにそれぞれ必要な支援を検討すべき問題であり、 また、運営者等による合理的配慮も行われるべきであり、すべて福祉的な支援として行われなければならないという認識は誤りである。 総合福祉部会では福祉的支援の在り方全般の検討が行われているのであって、文化・スポーツに限定した支援について 第二次意見に盛り込むことは不適当であり、削除すべきである。(厚生労働省)    
 13)所得保障  ・地域社会で生活するに足りる所得保障の一環として、稼働所得とリンクした年金施策が行われること。
*確定版は以下の通り
・地域社会で生活するに足りる所得保障の一環として、稼働所得の不足分を補えるような年金、手当施策が行われること。
 ・「障害者制度改革の基本的な方向について」 (平成22年6月29日閣議決定)においては、「障害者が地域において自立した生活を営むために必要な所得保障の在り方について、 給付水準と負担の在り方も含め、 平成25年常会への法案提出を予定している公的年金制度の抜本的見直しと併せて検討し、 平成24 年内を目途にその結論を得る」こととされており、 「稼働所得とリンクした年金施策」の意味は必ずしも明らかではないが、新たな年金制度における稼働所得の扱いについては、 今後、こうした議論の中で検討されることとなる。
・加えて、「14)所得保障」の「推進会議の認識」に関して、次の点に留意すべきである。
・「障害基礎年金は、長年の労働による財産の蓄積が期待できないにもかかわらず、 保険方式を原則とする年金制度においては例外的地位なるがゆえに」とあるが、現行の基礎年金は障害基礎年金も含め、 社会保険方式をとっており、また、障害基礎年金は保険料納付要件を満たす限り、 保険料を納めた期間の長さに関わらず、老齢基礎年金の満額以上の給付を行うものである。(厚生労働省)
 ○障害者が地域社会において自立した生活ができるよう、 年金、手当等の制度に関し必要な施策を講ずるとともに、税制上の措置、 公共的施設の利用料等の減免その他必要な施策を講ずるなど障害者が障害のために追加的に要する 経済的負担の軽減を図るために必要な施策を講ずること。  ○障害者が地域社会において人としての尊厳にふさわしい自立した生活ができるよう、 年金、手当等の制度に関し必要な施策を講ずるとともに、税制上の措置、公共的施設の利用料等の減免、 就労支援との連携等、その他必要な施策を講ずるなど障害者が障害のために追加的に要する経済的負担の軽減を図るために必要な施策を講ずること。
 ・地域社会で生活するに足りる所得保障の一環として、 無年金障害者の救済を含みうる形で、現行規定の手当などの施策が行われること。  ・「地域生活で生活するに足りる所得保障の一環として、 無年金障害者の救済を含みうる形で、現行規定の手当などの施策が行われること」の意味するところが不明である。
なお、本年6月の閣議決定においては、「特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(平成16年法律第166号)の附則において、 給付金の支給対象とならなかった在日外国人障害者等に対する福祉的措置の検討規定が設けられており、 この法律附則の検討規定に基づき、立法府その他の関係者の議論を踏まえつつ検討する」とされているところである。(厚生労働省)
   
 ・国及び地方公共団体は、障害者の自立支援の観点から、 障害の種別・程度にかかわりなく障害者の置かれた生活実態に基づいて、障害者及び障害者を介助する親族の経済的負担の軽減を図るため、 有効な税制上の措置、住宅にかかる費用や障害ゆえに追加的に必要な費用等に関して軽減措置を講ずること。
*確定版は以下の通り
・障害者の自立支援の観点から、障害の種別・程度にかかわりなく障害者の置かれた生活実態に基づいて、 障害者及び障害者を介助する親族の経済的負担の軽減を図るため、有効な税制上の措置、 住宅にかかる費用や障害ゆえに追加的に必要な費用等に関して軽減措置を講ずること。
 ・「障害の種別・程度にかかわりなく」については、総則「1)目的」の(1)で示したとおりである。 (厚生労働省)    
 14)政治参加  ・障害者の選挙権及び被選挙権を障害のない人と平等に保障するために、 障害の種別や特性に応じた必要な施策を講ずること。  ・成年被後見人に係る欠格条項規定については、 成年被後見人が「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」(民法第7条) と定義されていることにより設けられている制度であることから、成年被後見人制度全体について検討を経たうえで、 議論がなされることが必要である。    ○障害者の選挙権及び被選挙権の機会の均等を図り、障害の種別や特性に応じた必要な施策を講ずること。
 ・選挙等に関する情報の提供と投票を容易にする観点から、障害の特性に配慮した必要な体制を整備すること。  ・選挙等に関する情報の提供と投票の方法等の選挙権及び被選挙権の行使に関する事柄については、 選挙の公正かつ適正な実施の確保や他の制度との整合性に配慮することが必要である。(総務省)  ○選挙等の実施において、選挙等に係る情報の提供や投票等について障害の特性に配慮した施策を講ずること。  ○選挙等の実施において、選挙等に係る情報の提供や投票等について障害の特性に配慮した施策を講ずること。
 15)司法手続き  ・司法手続において、障害者が必要とする手続き上の配慮、 特に適切なコミュニケーション手段等を確保するための措置を講ずること。
*確定版は以下の通り
・司法手続において、障害者が必要とする手続き及び処遇上の配慮、 特に適切なコミュニケーション手段等を確保するための措置を講ずること。
 ・警察では、犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)第168条の2において、 精神又は身体に障害のある者の取調べにおける留意事項を定めるとともに、 障害種別ごとに取調べを行うに当たって留意すべき事項等について随時指導を行い、適正な捜査の推進に努めている。
・留置施設内における障がい者に対する適切なコミュニケーション手段等の確保については、既に手話による通訳、 補聴器の使用の許可等の必要な措置が講じられている。また、視覚障害者は、差入れにより留置施設内で点字の書籍を閲覧することもできる。
・被疑者を留置施設に拘禁することについては、当該被疑者の健康状態等を総合的に勘案した上で決定されることから、 障がいの程度が重い被疑者については留置施設に拘禁されない選択肢もあり得るところ、 すべての留置施設に一定の設備等を設けるように義務を課すことについては、慎重な検討が必要である。(警察庁)
・(別紙1参照)(法務省)
 ○司法手続において、障害の特性に応じたコミュニケーション手段の確保等の必要な配慮がなされるとともに、 関係職員に対して障害の理解等に関する研修を行うなどの必要な施策を講ずること。  ○司法手続及び刑事施設等の処遇において、 障害の特性に応じたコミュニケーション手段の確保等の必要な配慮がなされるとともに、 関係職員に対して障害の理解等に関する研修を行うなどの必要な施策を講ずること。
 ・司法手続に係る関係職員(警察官及び刑務官を含む。)に対して、 障害の理解及び必要とされる手続き上の配慮に関して研修を行うこと。
*確定版は以下の通り
・司法手続に係る関係職員(警察官及び刑務官等を含む。)に対して、 障害の理解と必要とされる手続き及び処遇上の配慮に関して研修を行うこと。
 ・警察では、警察学校や警察署等の職場において、 有識者による講話、手話講習、障害者施設への訪問実習等、障害の特性や障害に配慮したコミュニケーション等への理解を深める研修を行っている。 また、障害のある者の取調べに関する研修を実施している。(警察庁)
1検察庁職員に対し,これまでも各種研修において人権等に関する講義を実施してきたところであるが, ご指摘の点を踏まえ,研修内容について検討する。
2刑務官に対しては,既に,矯正研修所及び同支所において, 新採用職員に対する初任研修課程及び幹部要員に対する任用研修課程等に属する各種研修の中で, 人権問題に関する研修科目を設け,障害者を含めた被収容者に対し, 人権を配慮した処遇を適切かつ効果的に行うために必要な条約や法令等の知識及び技能の習得を図っている。 刑務官は「司法手続に係る関係職員」に属するが,被収容者を処遇することを主な職務とする性質上, 研修を実施する中で,処遇に密接に関わる「障害の理解」に係る部分と,「必要とされる手続き上の配慮」に係る部分とでは, 取り扱われる比重に差が生じるものであることを承知おき願いたい。(法務省
   
 16)国際協力  ・障害分野における国際協力に必要な取組を行うこと。  ・「国際協力」は政府開発援助以外も含む幅広い概念であるが, 国際協力においても障害者の地位の向上に資するよう今後も積極的に取り組んでいく所存である。その上で, 特定の分野における国際協力について,立法措置を行わずとも実施可能な取組をあえて法制化することで,国際協力の柔軟性を損なうことのないよう, 具体的な条文化については,大局的観点も踏まえながら,十分慎重に検討すべきことに留意する必要がある。 この点,障害者権利条約においては「各締約国の義務に影響を及ぼすものではない(第32条2)」と規定されており、 同条約は、「国際協力」について法律上の義務とすることまで求めていないと考えられる。
・なお、参考までに、同条約の以下の規定にも留意する必要があると考えられる。
(1)「必要な取組を行う」との部分に関し,同条約においては「適当かつ効果的な措置をとる(第32条1)」と規定されている。
(2)同様に,「外国政府,国際機関又は障害者の組織を含む民間団体との連携」との部分に関しては, 「国家間において並びに適当な場合には関連のある国際的及び地域的機関並びに市民社会(特に障害者の組織)と連携して(第32条1)」と規定されている。(外務省)
・(別紙4参照)  (外務省)
 ○障害分野における国際協力を推進するため、 外国政府、国際機関等との相互の連携や協力を図るために必要な施策を講ずること。  ○障害分野における国際協力を推進するため、外国政府、 国際機関又は障害者の団体を始めとする民間団体等との連携や協力を図るために必要な施策を講ずること。
 ・障害分野における国際協力は、外国政府、国際機関又は障害者の組織を含む民間団体との連携により行うこと。      
 ・障害分野における国際協力について、その取組の担い手及び受益者として障害者が参加できるように、 国際協力事業全般のバリアフリーの促進とともに、合理的配慮の提供を確保すること。      ○国際協力の取組の担い手及び受益者として障害者が参加できるように、 障害に特化したものだけではなく、国際協力事業全般において合理的配慮の提供を確保するとともに、バリアフリー化の促進を図ること。
 4.推進体制    
 1)組織  障害者権利条約では、監視機関(モニタリング機関)について、締約国に対して、 自国の法律上及び行政上の制度に従い、この条約の実施を監視するための枠組みを自国内において維持・強化・設置することなどを要請している。
*確定版は以下の通り
障害者権利条約では、監視機関(モニタリング機関)について、締約国に対して、自国の法律上及び行政上の制度に従い、 この条約の実施を監視するための枠組みを自国内において維持・強化・設置することなどを要請している。
     
 (国)
中央障害者施策推進協議会及び推進会議を発展的に改組し、障害当事者、学識経験者等で構成する審議会組織を新たに内閣府に設置すべきである。 その際、当事者の意見を反映させる観点から、構成員の過半数を障害当事者とすることが必要である。
*確定版は以下の通り
(国)
中央障害者施策推進協議会及び推進会議を発展的に改組し、障害当事者、学識経験者等で構成する審議会組織を新たに内閣府に設置すべきである。 その際、当事者の意見を反映させる観点から、構成員の過半数を障害当事者とすることが必要である。
 (国)
→委員の具体的な構成に関する規定については、委員の任命権者である内閣総理大臣の人事権とのバランスを考慮しつつ、 慎重に検討する必要がある。
他方で、現行法第25条第2項において、委員の構成については障害者の実情を踏まえた協議を行うことができるよう配慮する旨が定められており、 新審議会組織の委員構成についても同規定の趣旨が引き継がれる必要があると考えている。(内閣府)
 ○中央障害者施策推進協議会及び障がい者制度改革推進会議を発展的に改組し、 障害当事者、学識経験者等で構成する新たな審議会組織を内閣府に置くこと。  ○中央障害者施策推進協議会及び障がい者制度改革推進会議を発展的に改組し、 障害当事者、学識経験者等で構成し、障害当事者が過半数を占める新たな審議会組織を内閣府に置くこと。
 (地方)
各都道府県及び市町村において、実態を踏まえた実効性のある都道府県障害者計画を策定し、 地方においても障害者権利条約の理念を実現していくためには、地方における施策の実施状況の監視を行う権限を新たに付与するなど、 現行の地方障害者施策推進協議会の権限を強化し、当事者の意見
を反映させる観点から、その構成員の過半数を障害当事者とすることが必要である。
また、地方における障害者施策の多くは、市町村により実施されていることから、市町村においても、 地方障害者施策推進協議会の権限を強化した新たな組織を必置とすべきである。
*確定版は以下の通り
(地方)
各都道府県及び市町村において、実態を踏まえた実効性のある都道府県障害者計画を策定し、 地方においても障害者権利条約の理念を実現していくためには、地方における施策の実施状況の監視を、 協働による地域づくりといった観点から行う権限を新たに付与するなど、現行の地方障害者施策推進協議会の権限を強化し、 当事者の意見を反映させる観点から、その構成員の過半数を障害当事者とすることが必要である。
また、地方における障害者施策の多くは、市町村により実施されていることから、市町村においても、 現行の地方障害者施策推進協議会の権限を強化した新たな組織を必置とすべきである。
 (地方)
→委員の任命権は、地方公共団体の長にあることから、地域主権の考え方を踏まえつつ、 慎重に検討する必要がある。(内閣府)
→市町村のうち、政令指定都市においては、現行法上、地方障害者施策推進協議会が必置とされているところであるが、 それ以外の市町村においても新たに審議会組織を必置とすることについては、 地域主権の考え方を踏まえつつ、慎重に検討する必要がある。(内閣府)
   
 2)所掌事務  (国)
国に置かれる審議会組織は、障害者施策の確実な実施を図るため、以下の事務を担う必要がある。
・障害者基本計画策定の際の意見具申を行うこと
・障害者に関する基本的な政策に関する調査審議を行うこと
・障害者に関する施策の実施状況を監視し、必要に応じて関係各大臣に勧告を行うこと
また、勧告が行われた場合に、関係大臣は、これに基づき講じた施策について、 審議会組織に報告を行わなければならないこととすべきである。
改革集中期間内にあっては、これらに加えて、障害者制度の集中的な改革の推進のため、 必要な調査審議を行うとともに、関係大臣に意見を述べられるようにすべきである。
また、調査審議を実効あるものとするため、関係各大臣に資料の提出や説明など必要な協力を求めることや、 意見具申を行えるようにすることが必要である。加えて、地方における障害者施策の推進状況を的確に把握するため、 地方の監視機関に対して、施策の実施状況の報告を求めることができるようにすべきである。
上記の任務を十全に果たすため、監視等の審議に当たって、 必要な情報保障を含めた委員の適正な待遇の確保や必要な事務局体制の整備をすべきである。
*確定版は以下の通り
(国)
国に置かれる審議会組織は、障害者施策の確実な実施を図るため、以下の事務を担う必要がある。
・障害者基本計画策定の際の意見具申を行うこと
・障害者に関する基本的な政策に関する調査審議を行うこと
・障害者に関する施策の実施状況を監視し、必要に応じて関係各大臣に勧告を行うこと
また、勧告が行われた場合に、関係大臣は、これに基づき講じた施策について、 審議会組織に適切な期間内に報告を行わなければならないこととすべきである。
改革集中期間内にあっては、これらに加えて、障害者制度の集中的な改革の推進のため、必要な調査審議を行うとともに、 関係大臣に意見を述べられるようにすべきである。
また、調査審議を実効あるものとするため、関係各大臣に資料の提出や説明など必要な協力を求めることや、 意見具申を行えるようにすることが必要である。加えて、地方における障害者施策の推進状況を的確に把握するため、 地方の監視機関に対して、施策の実施状況の報告を求めることができるようにすべきである。
上記の任務を十全に果たすため、監視等の審議に当たって、 必要な情報保障を含めた委員の適正な待遇の確保や必要な事務局体制の整備をすべきである。
 (国)
→御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
 ○新たに国に置かれる審議会組織は、 障害者基本計画及び障害者に関する基本的な政策に関する調査審議を行うとともに、施策の実施状況を監視し、 必要に応じて勧告を行うことができるようにすること。
○国に置かれる審議会組織は、改革の集中期間において、制度改革の推進に関する事項についても調査審議を行うものとすること。
○国に置かれる審議会組織が任務を十全に果たせるようにするため、 関係行政機関、関係団体等に対し必要な協力を求めることができるようにすること。
 ○新たに国に置かれる審議会組織は、基本法の理念に基づき障害者基本計画及び障害者に関する 基本的な政策に関する調査審議を行うとともに、施策の実施状況を監視し、必要に応じて応答義務を伴う勧告を行うことができるようにすること。
○国に置かれる審議会組織は、改革の集中期間において、制度改革の推進に関する事項についても調査審議を行うものとすること。
○国に置かれる審議会組織が任務を十全に果たせるようにするため、関係行政機関、 関係団体等に対し必要な協力を求めることができるようにするとともに、 必要な情報保障を含めた委員への適正な待遇の確保や必要な体制整備を行うこと。
 (地方)
地方に置かれる審議会組織は、地方における障害者施策の実施を図り、権利条約の理念を実現するため、 現行の事務に加えて、以下の事務を新たに担う必要がある。
・施策の実施状況の監視事務を行うこと
*確定版は以下の通り
(地方)
地方に置かれる審議会組織は、地方における障害者施策の実施を図り、障害者権利条約の理念を実現するため、 現行の事務に加えて、以下の事務を新たに担う必要がある。
・施策の実施状況の監視(検証、評価、提言等を含む。)事務を行うこと
 (地方)
→御意見を踏まえ、どのような規定の仕方がありうるか検討してまいりたい。(内閣府)
 ○地方に置かれる審議会組織は、現行の事務に加えて、 新たに施策の実施状況に関する監視に関する事務を行うこと。  ○地方に置かれる審議会組織は、障害当事者が過半数を占める構成とし、 現行の事務に加えて、新たに施策の実施状況に関する監視に関する事務(検証、評価等を含む。)を行うこと。

<法務省>(別紙1)
1 民事訴訟法においては,以下のとおり,障害を有する方が直接及び間接の参加者として効果的な役割を果たすことを容易にするため, 手続上の配慮及び年齢に適した配慮がされており,適切なコミュニケーション手段等を確保するために必要な措置は既に講じられている。

(1) 障害を有する方が適切に訴訟追行をすることができるようにするという観点から設けられた制度
ア 障害等のため訴訟能力を有しないとされる場合には,法定代理人が訴訟を追行する(同法第31条本文参照)。
イ 訴訟能力を有する場合であっても,訴訟代理人を選任(同法第54条第1項)することにより, 訴訟代理人を通じて適切な訴訟行為をすることが可能。
ウ 当事者本人が訴訟追行するに当たって,その障害等により十分な訴訟行為をすることができない場合には, 裁判所の許可を得て,当事者のために法廷で陳述することができる「補佐人」とともに, 裁判所に出頭することができる(同法第60条第1項)。
エ 耳が聞こえない方が当事者や証人等である場合には,裁判所や他の訴訟関係者と意思疎通を図り, 自らの陳述等を十分にすることができるように,手話による通訳人を立ち会わせる, あるいは筆談によって陳述等をさせる等の措置をとることが可能(同法第154条第1項)。

(2) 障害の程度の如何を問わず,未成年者が不利益を被らないようにするとの観点から,原則として, 未成年者は訴訟能力を有しないものとし(同法第28条),法定代理人を通じて適切な訴訟追行ができるものとして (同法第31条本文),未成年者の保護を図っている。

2 刑事訴訟法は,49条で「被告人は,読むことができないとき,又は目の見えないときは, 公判調書の朗読を求めることができる」とし,176条で「耳の聞こえない者又は口のきけない者に陳述をさせる場合には, 通訳人に通訳をさせることができる」とするなど,障がい者に関する規定を置いており,また,以下のとおり,捜査・公判において, 障害者に対し,その障害の状況や程度に応じて様々な配慮が行われ,適切な対応がなされている。

(1) 捜査段階においては,まず,逮捕状により被疑者を逮捕する場合,刑事訴訟法201条1項により, 被疑者に逮捕状を示さなければならないが,被疑者において,目が見えない場合や,字を読むことができない場合には, 逮捕状の記載内容をできる限り分かりやすく読み聞かせている。また,知的障害があるなどして意思疎通の困難な方の場合, その困難さの程度に応じて,記載内容をできる限り分かりやすく説明するなど適切な方法でコミュニケーションを図るなど, 被疑者の障害の状況や程度に応じて適切な対応を取っている。

(2) 取調べや実況見分においては,被疑者の年齢,境遇,性格,性別等の諸事情を考慮して適切に対応しており, 例えば,知的障害があるなどして意思疎通の困難な方の場合,その困難さの程度に応じて, 発問をできる限り分かりやすく行うなど適切な方法でコミュニケーションを図るなどしている。 また,聴覚障がい者の場合には,必要に応じて,例えば,手話通訳者による通訳を介したり, 筆談を行うなどしており,被疑者の障害の状況や程度に応じて適切な対応を取っている。

(3) 公判段階においても,聴覚障がい者の場合,実務上手話通訳などによる陳述がなされているほか, 知的障害があるなどして意思疎通の困難な方に対する質問等の場合,発問をできる限り分かりやすくするとともに, こちらの質問等を正確に理解できているか適時確認するなどして対処している。なお,公判廷における具体的な運用は, 裁判所の所管事項であることから,当省として詳細に把握しているものではないことを付言する。

3 傍聴者に対する措置については、憲法第82条第1項の規定の趣旨が、 裁判を一般に公開して裁判が公正に行われることを制度として保障し、ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しようとすることにあるとされ、各人が裁判所に対して傍聴することを権利として要求できることまでを認めたものではないとされていること(平成元.3.8最高裁判所大法廷判決)、傍聴人に対する配慮は裁判所の所掌に係るものと考えられることを踏まえ、被疑者・被告人に対する措置と同様に扱うことの可否について検討する必要がある。

4 刑事施設においては,以下のとおり,障害を有する方が必要とする手続上の配慮や適切なコミュニケーション手段等を確保する必要な措置が既に講じられている。
(1) 福祉サービス等の申請手続に対する援助などを行うため,一部を除く刑事施設に社会福祉士や精神保健福祉士を配置している。
(2) 性犯罪再犯防止指導においては,知的能力に制約があり,通常の指導プログラムの実施が難しい受刑者用のプログラムを整備している。
(3) 被収容者の補正器具の使用について,視聴覚障害のある被収容者には,自己の眼鏡,補聴器等を使用させ,必要に応じて施設が貸与又は支給するなど,障害の程度に応じて必要な補正器具を使用させることとしている。
(4) 受刑者には,障害の程度に応じて,当該受刑者が実施可能な刑務作業を指定するなどの配慮を講じている。
(5) 被収容者又は外部交通の相手方が視聴覚等に障害を有するため,手話又は点字を使用して外部交通を行う場合において,その内容を確認するために費用を要したときは,その費用は国庫の負担としている。
(6) 聴覚障害者については,職員が筆談により意思疎通を図るなどの配慮を講じている。

<文部科学省>(別紙2-1)
・ 文部科学省としては、
(1)平成18年の学校教育法改正により、通常の学級を含め、小・中学校等の特別支援教育を推進することを明確に規定するとともに、
(2)就学手続についても、平成14年度より認定就学制度を導入し、
(3)平成19年度より障害のある子どもの就学先の決定に際する保護者の意見の聴取の義務付けを行う
など、従来よりインクルーシブな教育制度の確保に資する方向で制度改善を行ってきたところであり、 平成21年5月1日現在において、就学基準に該当する子どもの約3割が実際には小学校に就学しているという現状に鑑みれば、 「基準に該当する障害のある子どもは特別支援学校に就学する原則分離別学の仕組みになっている」という指摘は当たらない。
・ 個別分野における基本的方向と今後の進め方のうち教育分野については、 現在、平成22年6月29日の閣議決定「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」に従って、 文部科学省において検討を行っている。具体的には、中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特別委員会においては、 以下のような方向で議論が行われているところである。
(インクルーシブ教育システム構築に向けての特別支援教育の方向性について)
○インクルーシブ教育システム(包容する教育制度)の理念とそれに向かっていく方向性に賛成。
○インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、特別な教育的ニーズのある児童生徒に対して、 その時点で教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要。 子どもの学習権を保障する観点から、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、 特別支援学校といった連続性のある「多様な学びの場」を用意しておくことが必要。
○ 財源負担も含めた国民的合意を図りながら、大きな枠組みを改善する中で、「共に育ち、共に学ぶ」体制を求めていくべきである。
(就学相談・就学先決定の在り方について)
○一人一人の教育的ニーズを保障する就学先を決定するため、また、本人・保護者、学校、教育委員会が円滑に合意形成を図るため、 障害のある子どもの教育相談・支援を乳幼児期を含め早期から行うことが必要。
○就学基準に該当する障害のある子どもは、特別支援学校に原則就学するという従来の就学先決定の仕組みを改め、 障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みとすることが適当。 その際、本人・保護者に対し十分情報提供をしつつ、本人・保護者の意見を最大限尊重し、 本人・保護者と教育委員会、学校等が教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図り、最終的には市町村教育委員会が決定。 本人・保護者と教育委員会、学校等の意見が一致しない場合の調整の仕組みについて、今後、検討していくことが必要。
○就学先決定後も、継続的な教育相談を行うとともに、その結果に合わせて柔軟に就学先の見直しを図り適切な支援を行っていくことが適当。
(インクルーシブ教育システム構築のための人的・物的な環境整備について)
○発達障害も含め、特別支援教育の更なる環境整備が必要。
○合理的配慮については、今後、障害種ごとや、ソフト・ハードの両面から検討をしていくことが必要。
○教育条件の整備のためには、国及び自治体の財政的な裏付けが必要である。
・ 「基本法改正に当たって政府に求める意見」については、中教審の検討状況を踏まえて記述すべき。
・ 「障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにする」という現行の規定は、インクルーシブな教育制度と矛盾するものではなく、 表現を改める必要はない。中教審においても、インクルーシブ教育システムにおいては、 同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、 特別な教育的ニーズのある児童生徒に対して、その時点で教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できる 多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であり、子どもの学習権を保障する観点から、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、 特別支援学校といった連続性のある「多様な学びの場」を用意しておくことが必要との方向性が示されており、文部科学省としては、 「障害の状態に応じ、十分な教育が受けられるようにする」との現行の規定は適切であると考えている。
・ また、就学先の決定を保護者に全面的に委ねることについては、例えば以下のような場合には、 子どもの学習権を保障することが難しくなる可能性があり、慎重な検討が必要であると考えている。
- 就学前健診の受診や個別の教育支援計画の作成を認めないために障害の状態や教育上のニーズの把握・対応が不可能な場合など、 保護者の障害受容が得られない場合
- 重度の障害等により障害のある子どもが日常的に必要とする医療的ケア等の提供が学校において物理的に困難な場合
- 行動・情緒面の障害等により、他の子どもに重大な危害等が及ぶ恐れが強い場合
- 保護者の子どもに対する虐待が疑われる場合
 中教審においても、
○保護者は、学校や市町村教育委員会が自分の子どもを地域で進んで受け入れてくれるという姿勢が見られないと、 心を開いて就学相談をすることができない。学校や市町村教育委員会が保護者の伴走者として 親身になって相談を行うことで保護者との信頼関係が生まれる。学校、市町村教育委員会は、 障害のある子どもを地域で受け入れるという意識を持って就学相談・就学先決定に臨む必要がある。
○保護者は、何よりもまず、子どもの健康、学習、発達、成長という観点を最優先する立場で就学相談・就学先決定に臨む必要がある。
 との方向で議論が行われているところである。
・ 合理的配慮の具体的内容については現時点では「障がい者制度改革推進会議」において議論されていないと認識している。 そのため、「当該障害者に必要な合理的配慮を提供すること」の具体的内容が明らかではない。 また、これに加えて実施すべきものとする「追加的な教職員の配置や施設・設備の整備等の条件整備を行うために計画的に必要な措置を講ずること」 との関係も明らかではない。いずれにせよ、インクルーシブ教育システムについては、 理念のみならず人的・物的な環境整備とセットでの議論が必要であり、 同時に現下の財政状況や人材養成の現状を踏まえた現実的な議論が必要である。 教職員の人件費、施設・設備費については、義務教育費国庫負担法等により、国と都道府県等が負担していることから、 国・地方を通じた財政措置を行うことが必要である。

<文部科学省>(別紙2-2)
文部科学省から提出されたその他の留意点
2.総則関係全般
「2.総則関係」全般の記述については、例えば、「7)国民の理解・責務」の「事業者等の責務を明らかにすること」など、 具体的な内容が明らかではない部分については、各省庁から、現時点で「実施・検討に当たっての留意点」を示すことは困難である。
3.基本的施策関係
1)地域生活
 地域生活については、第一次意見においては、以下の記述となっており、この文面からは「学校」における支援は想定されていないように見えるが、 「地域生活」の語の概念が修正されたのであれば、その内容について記述する必要があるのではないかと考える。
4.「地域生活」を可能とするための支援
すべての障害者が家族への依存から脱却し、自ら選択した地域において自立した生活を営む権利を有することを確認するとともに、 その実現のために24時間介助等を含む支援制度の構築を目指す。制度の構築に当たっては、地域間格差が生じないよう十分に留意する。
また、今回の第二次意見の「2.総則関係 3)基本理念」の【地域社会における生活の実現】の 「具体的には」以降の記述の内容とも異なると思われる。
以上を踏まえると、現時点で「実施・検討に当たっての留意点」を示すことは困難である。

<厚生労働省>(別紙3-1)
(1) 「障害者が障害のない者と平等に」という表現は、「障害者」というレッテル貼りにつながりかねないので、 「障害の有無にかかわらず、全ての者が」という表現にすべきと考える。
(2) 現行制度でも、労務提供の形態や報酬の労務対償性及びこれらに関連する諸要素を勘案して総合的に判断し、 障害の有無に関わらず実質的な使用従属性が認められる場合は、労働基準法上の「労働者」に該当する点に留意する必要がある。
(3) 現在の福祉的就労に従事している障害者を労働者として整理する場合には、労働契約の締結により、 就業義務及び賃金支払義務その他労働関係における権利義務関係をあらかじめ明確化することが必要である(モデル労働契約の整備等)。
(4) 労働基準法上の「労働者」に該当する障害者は、労働契約上の義務を負い、その義務に違反した場合、 一定の責任を負うこととなる点についても、留意する必要がある。一方、現在の福祉的就労に従事している障害者を 労働者以外の者として整理する場合には、労働契約(労働者性)の実質的な要素 (就労義務及び賃金支払義務)が含まれないよう、施設と障害者の法的関係(契約関係)を設定する必要がある (「工賃」といった呼称の見直し等)。
(5) 全ての障害者が労働法規の適用を受けることは、現実的には難しいと考えられ、 労働法規の適用を受けるような働き方ができないが働く意欲のある障害者に対する福祉的な就労の役割を持つ分野が引き続き必要である。
(6) 「生計の維持可能な賃金の確保などのために必要な支援」の実施主体や具体的な内容を明らかにしておく必要があるのではないか。
なお、「賃金」は労働の対価として使用者が労働者に支払うものとされ、最低限支払うべき額及びその支払方法(※)について 最低賃金法、労働基準法においてルールが定められているが、仮に「一般労働法規」の適用を前提に、 賃金補填の在り方を検討する場合には、以下のような点に留意する必要がある。
・国が補填する金銭を労働の対価として支払われる「賃金」と捉えてよいのかどうか。
・また、仮に、国が使用者ではなく障害者に対して直接金銭補填することとした場合、 補填した金銭は使用者が障害者に対して直接支払うものではなく、また補填額もあわせて全額を使用者から支払うものではないため、 直接払い・全額払いの原則に反しないのかどうか。
・また、仮に、最低賃金減額特例許可に基づき使用者から障害者に支払われる減額後の最低賃金額と一般の最低賃金額との差額を、 国が障害者に対して直接又は間接に金銭補填することとした場合、最低賃金法に基づき最低賃金減額特例許可した国自らが、 その許可した減額分を補填することとなり、整合性を担保できるのかどうか。
(※)通貨払い、直接払い、全額払い、毎月払い、一定期日払いの5原則
さらに、賃金補填により、同一労働同一賃金の下で、職場における補填を受ける者とそうでない者との間の公平感が失われ、 モラルハザードを招くおそれがあることや、事業主が合理的配慮、 職場改善等により障害者の労働能力を向上させるインセンティブを減退させてしまう懸念があること、 財源のあり方のほか、障害年金を含めた所得保障の観点から、障害のない労働者との均衡にも留意しつつ、 総合的な検討が必要であることに留意する必要がある。

<厚生労働省>(別紙3-2)
厚生労働省から提出されたその他の留意点
【全体について】
(1)言葉の意味の明確化と客観化
 基本法は、障害者施策についての基本となる法であり、行政や国民の責務等を明らかにするものであることから、 それぞれの言葉の意味や条文の意図するところについて、あいまいな表現ではなく明確に規定されることが必要である。
 例えば、「すべての障害者」、「平等の権利」、「インクルーシブ」、「合理的配慮」、「社会的不利益」、 「地域社会で生活する権利」、「あらゆる差別」、「制度間格差」といった言葉が何を意味しているかや、 「○○等」の「等」が何を指しているかについて、共通認識が持てるように条文化されないと、具体的な施策として実施することが困難となる。
(2)具体的な実施可能性についての担保
 基本法は、障害者施策についての基本となる法であることから、ここで条文化されたものについては、 具体的にどのような手段によって実現していくかについて相当程度の可能性について担保されることが必要である。
 具体的な実施可能性について担保されないまま、「○○の措置をとる」、「○○の責務を有する」、 「○○を保障する」といった規定がされたとしても、これを実現することは困難である。
 また、行政の財政負担を伴うものや、事業者等の負担を伴うものついては、その負担が担えるものか、負担する側の意向を踏まえた上で、 規定されることが必要である。
(3)総合福祉部会で検討中の事項や本年6月の閣議決定で示されたスケジュールに沿って検討がなされている事項についての留保
 例えば、基本的施策関係の「地域生活支援」などの記述については、総合福祉部会や推進会議との合同チームで検討されている最中のものであり、 これらについて、一定の結論を示すような記述がされるべきではない。
 本年6月の閣議決定に沿って各省庁において検討することとされている事項についても同様である。
 また、福祉サービス等の具体的なあり方については、障害者総合福祉法(仮称)等の個別法で規定されるべきものである。基本法たる法に、 個別法に係る具体的な内容を記述することは不適当である。
3.基本的施策関係
1)地域生活支援
  福祉サービス等の具体的なあり方については、障害者総合福祉法(仮称)等の個別法で規定されるべきものである。 基本法たる法に、個別法に係る具体的な内容を記述することは不適当である。
2)労働及び雇用
・ 「全体について」(1)で示した用語に加え、「労働施策」、「福祉施策」、「一体的展開」、「労働の権利」、「 社会的事業所」、「協同組合」、「あらゆる障害」、「特定の機関」等の用語の意味について、共通認識が持てるように条文化する必要がある。
・ 「全体について」(2)及び(3)に加え、「労働及び雇用」で掲げられている観点については、現在、就労合同作業チームにおいて検討しており、 多くの事項について未だ結論が出ていないことに加え、労働政策審議会の審議を経る必要があることから、結論的な記述を行うことは適当ではない。
4)健康、医療
(1) 精神医療のあり方については、現在、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」(平成22年6月29日閣議決定)を踏まえ、 「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」において検討を開始したところであり、また、精神医療以外の医療については、 合同作業チームにおいて1月以降に議論することとされている。現時点で結論的な記述を行うのは避けるべき。
(2) 「全体について」(3)にあるように、合同作業チームにおいて必ずしも具体的に議論されていないと思われる点が「推進会議の認識」として 示されているのではないか。例えば、「病床数の削減」など、現時点で結論的な記述を行うのは避けるべき。
 【人権尊重の観点からの精神医療の体制整備】
  「全体について」(3)にあるように、合同作業チームにおいて必ずしも具体的に議論されていないと思われる点が「推進会議の認識」として 示されているのではないか。例えば、「病床数の削減」など、現時点で結論的な記述を行うのは避けるべき。
6)精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保について
(1) 「4)健康、医療」の(1)で示したとおり、精神医療については、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」 (平成22年6月29日閣議決定)を踏まえ、「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」において検討を開始したところであり、 現時点で結論的な記述を行うのは避けるべき。
(2) 「4)健康、医療」の(2)で示したとおり、推進会議の認識の中に合同作業チームで具体的に議論されていない点が盛り込まれているのではないか。 例えば、「病床数の削減」など、現時点で結論的な記述を行うのは避けるべき。
(3) 精神保健福祉法は、これに基づき必要な医療の提供や保健及び福祉施策が実施されているものであり、医療観察法についても、 同法に基づき現に必要な医療の提供が行われている。これらの代替措置が具体的に検討されていないにもかかわらず、 安易に「廃止を含め」抜本的に見直すといった方向性を打ち出すことは適当ではないと考えられ、「廃止を含め」については削除すべきである。
(4) 精神障害者の入院ニーズを精査した上で、病床数のあり方を議論する必要性は理解できるものの、原案の書きぶりでは、 削減目標ありきで、実行可能性に対する視点が欠けているのではないか。
  病床数の削減を行うとすれば、社会的入院の解消(認知症患者の方への対応)や、アウトリーチ体制の推進、 急性期精神科救急医療などを含む精神科医療体制の構築、地域の受け皿の構築に関する施策の実施とセットであるべき。

<外務省>(別紙4)
外務省から提出されたその他の留意点
2.総則関係
1)目的(1パラ)
・「障害者を保護の客体であるとする見方から,すべての基本的人権の享有主体であるとの見方へ, 考え方の根本を転換することが障害者権利条約の理念」とあるが,障害者権利条約にそのような規定はない。
2)定義(2パラ)
・「障害者の社会参加の制限や制約の原因が障害者個人にあるのではなく, 機能障害(インペアメント)と社会との関係によって生じるものであるという「社会モデル」に立つ障害者権利条約」とあるが, 障害者権利条約には,モデルに関する明示的規定はない。
4)差別の禁止(4パラ)
・「合理的配慮を提供しない場合も含む」とあるが,障害者権利条約においては,「合理的配慮の否定(第2条)」と規定されている。
6)国及び地方公共団体の責務(2パラ)
・「国及び地方公共団体は障害者への合理的配慮義務を有する」とあるが,これが仮に障害者権利条約に基づくのであれば, 同条約においては,締約国は,「合理的配慮が提供されることを確保するためのすべての適当な措置をとる(第5条3)」と規定されている。
3.基本的施策関係
3)教育(1パラ)
・「障害者権利条約は,障害のある子どもとない子どもが共に教育を受けるインクルーシブ教育制度の構築を求めており」とあるが, 同条約の仮訳では「インクルーシブ教育」という表現は用いられていない。
  教育(9パラ)
・「障害者権利条約で規定しているインクルーシブ教育」とあるが,同条約の仮訳では「インクルーシブ教育」という表現は用いられていない。
4)教育,医療(1パラ)
・「障害者権利条約の考え方を踏まえ,すべての障害者が可能な限り最高水準の健康を享受し」とあるが, 障害者権利条約を踏まえるのであれば,障害者権利条約においては, 「障害者が障害に基づく差別なしに到達可能な最高水準の健康を享受(第25条)」と規定されている。

17)国際協力(1パラ)
・「障害者権利条約は国際協力の必要性をうたっており,障害分野における国際協力を促進するためには, 基本法に,国際協力に関する取り組みを行う旨を盛り込む必要があるべきことを明記する必要がある」とあるが,同条約においては, 「国際協力及びその促進が重要であることを認識し(第32条1)」と規定され, また「各締約国の義務に影響を及ぼすものではない(同条2)」と規定されている。

4.推進体制
1)組織(1パラ)
・「障害者権利条約では,監視機関(モニタリング機関)について,締約国に対して, 自国の法律上及び行政上の制度に従い,この条約の実施を監視するための枠組みを自国内において維持・強化・設置することなどを要請している」とあるが,障害者権利条約においては,「締約国は,自国の法律上及び行政上の制度に従い,この条約の実施を促進し, 保護し,及び監視するための枠組み(適当な場合には、一又は二以上の独立した仕組みを含む。)を自国内において維持し, 強化し,指定し,又は設置する(第33条2)」と規定されている。

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